薄日 11
その日は家ではなく、悠さんのマンションに向かった。
扉を閉めた途端に唇をまた奪われた。すぐに彼の舌が侵入し、咥内までもが気持ち良くなってしまう。脳内が痺れ、何も考えられない。
灯もつけないまま、横抱きにされる。そっと彼の首に腕を絡めると触れるだけのキスを交わす。寝室のベッドにそっと降ろされ、彼に組み敷かれる。
私を見下ろす彼の視線にぞくりとする。全ての衣服を剥ぎ取られ、敏感な箇所を順番に刺激される。身体を重ねるのはまだ2度目なのに、どうしてこうも気持ちがいいのだろう。魔法を使われているかのように、意識の全てを快楽に持っていかれてしまう。
彼は丁寧に丁寧に、私の身体に口付けていく。リップ音を立てて、隅から隅まで、私自身では見えないその場所まで、焦らすように口付ける。そのせいで感度が上がってしまっているのを悟られないか否か。羞恥でさらに快感が私を襲う。ごつごつした指が十分すぎる程潤ったそこに侵入する。探るように掻き回され、比べようのない刺激が与えられたとき、喘ぎ声が漏れ、背中が弓形にしなった。
「美咲、まだ挿れてもないのに…こんなにやらしかったのか?」
「やあっ…言わ、ないで…」
何度も何度も、執拗に同じところを刺激され、気を失いそう。
「前より敏感だな。美咲、こんな姿、もう俺にしか見せないで」
快感のあまり返事ができないでいると、彼は指の動きを止めた。
「美咲、返事は?」
「悠さんとしか、しません…そんなの、当たり前…。ね、意地悪しないで。悠さんが、欲しいんです」