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飛湍 13
「悠さんが私を好きだって言ってくれたのは…嬉しいです。でも私、気持ちの整理が出来ていなくて」
「焦らなくていいから。今は何も考えずに、大人しく俺に守られててよ」
悠さんに守ってもらえる程の価値が、今の私にあるのだろうか?このまま彼の優しさに甘えて、縋って良いのだろうか?
「どうして…?」
「ん?」
「どうして悠さんは、そんなに私を大事にしてくれるんですか?」
未だ私を全身で包み込む彼に問うと、自嘲気味に笑った。
「ただの独占欲だよ。美咲をあいつに取られたくない。他の誰にもね。俺以外の男と美咲に何かあったら俺、気ぃ狂うと思う」
「そんな事言ってもらえる程の価値が、自分にあるとは思えなくて」
「ある。俺は美咲を好きになったんだ。人を好きになるって、そんなもんだろ」
彼の顔がそっと近づく。触れるだけのキスをすると、茂みに当たる彼自身が硬くなった。
「悠さん、あの…」
「生理現象だから、しょうがない。気にしないで」
「この体勢で気にしないって、無理がありません?」
「…もう一回、してもいい?」
返事をする間も無く、噛み付くようなキスが降ってきた。