飛湍 7
「美咲…?」
「悠さん、お風呂お先に頂きました。お風呂、どうぞ」
ぼんやりと薄目を開けた彼は私の上半身を見て何故か目を覚ましたようだ。
「…風呂、行ってくる。もう、ベッド入ってていいから」
言うなり、彼はすぐにお風呂場に向かった。
このTシャツは首周りがかなりゆったりしている。
さっき屈んだから、もしかしたら見えてしまったのかもしれない。
お言葉に甘えてベッドに入る。
私、こないだもこのベッドで眠ったんだっけ。
今日も一緒にこのベッドで眠るのだろうか?
こないだは、一緒に寝ていても何も起きなかった。
でも今日は?口づけを交わし、手も絡めるように繋いでいた。
今日は、こないだとは違う。
今はまだ、それ以上のことをする時では無いと思う。
いつかは悠さんとそうなるかもしれないけど。でも、それは今日ではない。まだ気持ちが追いついていない。
「美咲?ベッド入ってて良かったのに」
悠さんがタオルで濡髪を拭きながら戻ってきた。
これ、直視しちゃダメなやつ。悠さんの濡髪の破壊力、半端ない。色気増量し過ぎでしょ。
「悠さん、私、床で寝ます。悠さん疲れてるみたいだし、ベッドで寝てください」