64/237
飛湍 6
コンビニからの帰り道。
「悠さん」
ん、とだけ言って目を細めて私を見る。
「その…手はずっと繋ぐんですか?」
「繋いでる方が守りやすいからな」
「私、自分の身ぐらい自分で…」
「守れてないだろ?いいから、大人しく俺に守られとけって」
納得いくような、いかないような。
「風呂、入る?」
「悠さん、先どうぞ」
「美咲の方が時間かかるだろ。先入っておいで」
今日居酒屋で悠さんに返したはずのTシャツと短パンを手渡される。
「ふふ。また洗濯してお返ししないとですね」
「長袖にしとくか?でもこのサイズしか無くてさ」
「Tシャツで大丈夫です。じゃ、お言葉に甘えてお風呂先に頂きますね」
下着はどうしよう?コンビニでこっそりショーツは買えたから替えがある。ブラは出来れば風呂上がりに着けたくない。お風呂上がったら寝るだけだし、着けてなくても問題無いよね?
「お風呂、お先にありがとうございました」
可能な限り早めに出てきたつもりでいた。髪を乾かすのに少し手間取ってしまった。
悠さんは疲れていたのか、ローテーブルに突っ伏して眠ってしまっている。
「悠さん…風邪引きますよ?」
「んん…」