表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Emerald  作者: 藍沢 咲良
61/237

飛湍 3


タクシーの中でも、降りてからも手は握られたままだった。



もう来ることは無いと思っていたのに。

また来てしまった。悠さんの家。


「適当に座ってて」

こないだ一緒に朝食を摂ったローテーブルの前に座る。

寝室から出てきた悠さんは、スポーツブランドの薄手のトレーナーとジャージという、ラフな格好だった。


「美咲も着替える?」

「私…もう少ししたら帰ります」

「え…?」

彼の瞳が揺れる。

「あれだけ悠さんに言われたんだから、もういないと思います」

前回同様、私が泊まると思っていたのだろうか。

でも私だって何度も迷惑はかけられない。


「ここに泊まるの、嫌か?」

「嫌とかじゃなくて。それ以前の問題で。何度も迷惑をかける訳にはいかないから…。私、今日は酔っぱらってないから自力で帰れます」

腕時計で時間を確かめる。桜汰との出来事から1時間は経っただろう。あと30分ぐらいしたらタクシーを呼ぼう。


悠さんが私の隣に座った。

「帰りたいの?」

「叔母さんに泊まるって…伝えてないし」

「連絡しておけばいいだろ」

「…悠さん、私に泊まって欲しいんですか?」

首を傾げて尋ねる。


面食らった顔ってこういう顔なんだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ