表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Emerald  作者: 藍沢 咲良
58/237

宵 10


「離してください。悠さん、酔ってるんですか?」

悠さんの胸を押して体を離そうとしてもびくともしない。それどころか、更に腕に力が込められたのがわかる。


「ちょっとは酔ってるかもな」

離す気は無いらしい。


「いつもそうやって、張り付いた笑顔でやり過ごして、裏で泣いてんの?」

思いもかけない言葉が降ってきて動揺を誘う。

「いけませんか?それが私の処世術なんです」

「だったら。俺の前ではその張り付いた笑顔は外してよくないか?」

「…簡単には、出来ません」

離してください、ともう一度悠さんの胸を押す。

腕が緩められ、やっと解放された。



営業スマイルは、とっくに崩れていた。

「帰ります」

足を家の方に向けると、悠さんは再び私の手を取った。

「悠さん…」

「いいから。送らせて」

そのままずっと静かに歩いていた。





マンションの前に桜汰が立っているのを見つけた瞬間、息を呑んで硬直してしまった。


「美咲。遅かったな。随分待ったよ」

「桜汰…。なんで…?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ