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Emerald  作者: 藍沢 咲良
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番外編 〜プロジェクトX〜 2


4月から担任になったとはいえ、学校は休校中だ。全国一斉に休校というのは、戦後一度も無かったと校長が話していた。みんながみんな、遭遇したことの無いこの事態。そこから抜け出す為の使命感に、今の悠さんは燃えている。この未曾有の危機の中、仕事の話をする彼はとても楽しそうなのだ。


夕食は実際食べたり食べなかったりであるようで、悠さんは以前に比べると痩せてしまった。彼の後ろ姿に抱きつくとよくわかる。筋肉質だった彼の身体は、ほっそりとしてしまい、息を呑んでしまった。その表情を見られなくて本当に良かったと思う。


私達の勤務時間は16時45分まで。通常なら18時は平気で越えるが、休校中ゆえだ。寄り道をしなければ、17時半には帰宅できてしまう。夕食はついつい2人分作ってしまうので、悠さんが食べなかった分は作り置きにして翌日の私のお昼ご飯として、お弁当にして職場に持参している。食べて貰えなかったご飯を自分で翌日食べるというこの習慣に、私は段々と寂しさ故のストレスを感じていた。無自覚に涙が出たときには驚いた。これではまずい。勘の良い悠さんにはすぐに気付かれてしまうし、今の彼に余計な心配をかけたく無い。


夕食、お弁当にして持って行こうかな。おにぎりとかサンドイッチなら、食べてくれるかな…?


梅干しとツナマヨと牛しぐれのおにぎりを握る。玉子焼きと炒めたウインナーと温野菜をフードコンテナに詰めて保冷バッグに入れた。緑茶のペットボトルも追加して出かける準備をした。緑茶ぐらいマイボトルに詰めてもいいのだけど。でも悠さんはマイボトルに詰めるよりはペットボトルの緑茶を好む。違いはよくわからないけど、彼なりのこだわりらしい。


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