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Emerald  作者: 藍沢 咲良
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小濁り 3


食材をスーパーで買っている間も浮かれてしまう。

桜汰の部屋に行くのは久しぶり。可愛いエプロンを持参して奥さん感も演出するつもりだ。


桜汰の住むマンションに着いた。

インターホンを押してみる。どうやら不在のようだ。

合鍵を持っているのでそのまま入った。




…え?



桜汰のスニーカーのすぐ隣にパンプスがある。


これ…私のじゃない。


食材と鞄を床に置いてリビングへ向かう。


電気が付いている。桜汰の鞄と女物の鞄が置かれている。





寝室から物音がした。




「…んんっ…あっ…」



(かす)かに聞こえる女の声。

勿論、私の声じゃ、ない…。


息が…。上手く、出来ない…。

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