蜜月 8
「さ、行きましょうか、5合目」
「露天風呂は?」
「お風呂入っちゃったら外行きたくなくなっちゃうでしょ?」
仲居さんがいなくなった途端に私にくっついて動きを封じ込めた悠さんは、既に服の裾から手を侵入させていた。もう背中にあるホックを外そうとしていたけど、このまま流されたら5合目にも散策にも行けない。
「俺、美咲と露天風呂で富士山見られればそれでいいんだけど」
そっと抵抗する私の唇を不満気に奪い取る。やはりホックはすぐに外されてしまい、彼の大きな手が膨らみを包み、温かな感触に脳が思考を止めてしまいそうになる。
「は、るか、さん…。それだと、…いつもの休日と…っ!変わらない、でしょ…?」
「富士山が見れるから、いつもとは違うだろ?」
耳元で囁く声に、脳が完全に機能停止を起こしそうだ。時折与えられる先端の刺激が私の脳内を支配し始めた。立ったまま、あっという間に服を脱がされる。もはや力が全く入らない私の身体は、悠さんが支えていなければ崩れ落ちていただろう。気が付けばお互い裸のまま横抱きにされて露天風呂にそっと入れられていた。
富士山が視界に入ったけど、私の腕は悠さんの首に絡みついた。そのまま唇を何度も重ねていると、そそり立った彼自身の硬度は更に上がった。
「美咲、手をついて…。温泉の中でするのは、良くないから…」
言われるがままに露天風呂の縁に手をついた。その直後、悠さんが挿入ってきた。激しい律動に、声が漏れそうになる。家とは違って、露天風呂の塀の向こうはお隣の部屋の露天風呂だ。声を我慢していると更に感度が増した気がした。