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Emerald  作者: 藍沢 咲良
207/237

物思い 7


「殴り込みって。されたことあるんですか?」

笑っていいのかいけないのか、分かりずらい。反応に困っていると、鈴木先生は言葉を続けた。


「うちの奥さん、溺愛されてたみたいで。一人娘だからか、俺への視線は基本厳しいんだよ。アポ無しでのご訪問が頻繁にあるし」

苦笑いをする鈴木先生は私が思っているよりも苦労しているのかもしれない。アポ無しのご訪問は、悠さんのどちらのお母様にされてもキツいものはキツい、というのが本音だ。

「アポ無し、それも頻繁って…ちょっとそれ、キツくないです?」

「キツいよ。でも、奥さんの両親だからね。無碍には出来ないから歓迎するしかない」

結局歓迎して家に入れるのか。私達の場合、あのお母様方を。すぐ帰ってくれればいいけど、長時間居座られたら私のメンタルは保たれるだろうか?


「結婚って…大変なんですね」

ため息と共に言葉を吐くと、彼は眉を上げた。

「もしかして、結城先生…。おめでたい話?」

小声で尋ねられ、はい、と同じく小声で答える。眉を開いた鈴木先生は小声でおめでとう、と言ってくれた。

「管理職には?もう伝えた?」

「詳細決まってないですけど、お互いの両親の許しは得たので今日の朝イチで校長には」

「それならもう普通の声で喋ってもいいのかな。解禁はまだ?」

「まだです。詳細決まってからの方がいいと思うので」

「え、じゃあまだ黙っとかないと」

「お願いします」



帰りにスーパーに寄って食材を買った。片手にエコバッグ、反対側の肩にトートバッグを掛けてマンションのエントランスのドアを開ける。ドアのガラス越しには人影は無かった。

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