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Emerald  作者: 藍沢 咲良
204/237

物思い 4


「俺、母親と話してみる。いつまでも、美咲に負担掛けたくない」

「負担だなんて…負担だけど」

「そこ、負担でも負担じゃないって言うところじゃね?」

悠さんがくっくっと笑うから、頭を載せている胸筋も一緒に揺れた。


「でも、我慢されるよりずっといい。美咲のしんどそうな作り笑いを見るの、俺も辛い」

「作り笑い、バレてたの?」

思わず起き上がって彼の顔を見る。

「俺を誰だと思ってんの?」

不敵に笑って言葉を紡ぐ彼はそのまま私を胸の上に閉じ込める。

「母親のことは俺が何とかする。美咲に嫌な思いなんてさせられないからな。時間は掛かると思うけど、待ってくれるか?」

「勿論。この先ずっと一緒でしょ?」

「ああ、一緒だ。ずっと」

彼が身を起こす。腕に閉じ込められていたはずの私は、体勢が逆転していることにすぐに気が付かなかった。気づいた時には、もう唇が重なっていた。甘い快楽の予感に、私は目を閉じた。




『こないだはありがとね。ねえすみれ、例の愛人さんって、やっぱり今も話通じない感じ?』

あのお母様のことは悠さんに任せるしかないのだけど。直接会いたいけど、すみれはきっと忙しいから、メッセージアプリでの相談にした。


『うん、こないだはありがとう。愛人親子?うん、息子もクセ強いけど、母親の比じゃないよ』


『お子さんの方もクセ強いの?』


『寧ろクセ強い子だらけだけどね。その息子に限らず。どした?直接対決でもしちゃった?』


『したというか、強制的にさせられたというか…。アポなしでマンションのエントランスにいて、彼が家に帰るまで家で待たせろって言われたの』

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