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Emerald  作者: 藍沢 咲良
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邂逅 1


2学期が始まった。水無瀬の9月はまだまだ暑いけど、鷺山の9月はカラッとしている。ということは、山奥である柿山はもう既に肌寒い。まだ半袖を着ているけど、薄手の長袖のカーディガンは常に車に置いている。朝の通勤時は長袖を着ていないと寒いのだ。


「結城先生、金曜は1・2年生の授業しか無いんだよね?」

運動会の練習ですっかり日焼けした鈴木先生が自席に戻る。

「はい。金曜は音楽も家庭科も無いので」

「じゃあ、金曜に生活科の町探検の引率お願いしていいかな?」

「町探検…どこ行くんですか?」

町も何も…この辺りは子どもたちが自力で歩いていけるところは近くの川ぐらいしか無い。

「ゴッホの池周辺に行こうと思って。柿山フラワーパークだったら雨でも大丈夫だし」

結構遠いですけど。車で行く距離ですけど。

「えっと…歩くんですか?」

「歩くのは無理。給食間に合わない。スクールバスを出してもらうんだ」

笑いながら、鈴木先生は校外学習届の引率者の欄に私の名前を書き足した。


ゴッホの池と、柿山フラワーパーク。悠さん、花屋に顔出してる時間帯だろうか?事前に言うべきか、言わないべきか。

あの飲み会で鈴木先生に手首を掴まれた現場を見られている。その、鈴木先生と揃って子どもたちの引率。私と鈴木先生はもう通常の仕事モードに戻ったけれど。悠さんの中で折り合いがついているとは、とても思えない。うん、やっぱり事前にそれとなく伝えておいた方がいいかもしれない。伝えずにばったり会った時のリスクが大き過ぎる。


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