表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Emerald  作者: 藍沢 咲良
186/237

覚悟 6


朝食の時間に間に合ったのは奇跡だろう。悠さんはあれから、朝食の時間を気にする私をなかなか離してくれなかった。



鷺山に戻ったのは夕方だった。悠さんがマンションの鍵を開けて、続いて私も入る。私達の生活の匂いに包まれる。日常に戻れるってこんなに安心するんだな。晩御飯は高速のサービスエリアで済ませてきた。私は明日休みだけど、明日すぐ仕事の悠さんのために、朝食の味噌汁の準備ぐらいはしておこう。



『元気?私明日勤務午前だけなんだけど、美咲どう?ランチしようよ』

大学で仲良くなったすみれからメッセージが来ていた。久しぶりだな。私が水無瀬の学校を辞めて、のんびりしていた頃、すみれだけは変わらず連絡をくれていた。私が知る限り、すみれは変わらず水無瀬の小学校で勤務しているはずだ。

『久しぶり。私、明日は休みにしてあるから水無瀬行くよ。ランチ、どこにする?』

『ミリノヤは?駅ビルの』

ミリノヤとは、イタリアンのビュッフェがお手頃価格で食べられるお店だ。

『わかった。何時?』

『私、12時にはお店に着けるよ』

『じゃあ私、早めに行って席取っとくね』


お風呂のお湯をセットしながらすみれとメッセージのやりとりをしていると、洗濯物を片付けに来た悠さんが不機嫌そうにしている。

「悠さん?」

「美咲、さっきからスマホ弄ってばっかだな」

「え?」

戸惑っていると、冷たい視線を私に浴びせ、手に持っていたスマホを取り上げて洗面台に置いた。

「誰?男?」

壁に追いやられてしまった。これ、壁ドンってやつ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ