表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Emerald  作者: 藍沢 咲良
182/237

覚悟 2


頭の中を整理なんて、全く出来ていない。

身体を洗い終え、湯船に浸かっても、何も考えられない。もう何も考えたくない。こっちが本音だ。


今日思い知らされた、悠さんを取り巻く環境。受け入れられないわけではない、多分。でも情報が多過ぎて。私の許容量を優に超えていた。


彼の支えに、救いになりたいと言ったのは、思ったのは本当だ。ただ、今はちょっとしんどい。それだけだ。


お風呂を出たら、悠さんに何て言おう?どんな顔して悠さんの顔を見たらいいの…?


さっきから、同じことをぐるぐるとずっと考えている。答えは出ない。でもこのままではのぼせてしまう。ひとまず、風呂からは出ないと。


立ちあがろうとした、その時。目の前が暗くなる。風景が反転する。だめだ、倒れる。目の前の物を掴んだ。上手く掴めず床に音を立てて落ちた。壁の手すりに手を伸ばす。何とか掴めた、その時。



目の前は完全に真っ黒になった。






「美咲、入るよ…?すごい音がしたけど……!」


「美咲!美咲⁉︎」


遠くで私を呼ぶ悠さんの声が聞こえる。瞼が重くて開けない。


「美咲…!目を開けてくれよ!美咲!…美咲!」

悠さんの泣きそうな声、初めて聞いた。…だめだ、眠過ぎて…。目を、開けられ、ない…。









目を覚ますと、ホテルの部屋の天井が見えた。視線を左に向けると、心配そうな顔をした悠さんと目が合った。

「は、るか、さん…?」

「美咲…!良かった!」

ベッドに横たわったままの私を抱き締める彼は、震えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ