表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Emerald  作者: 藍沢 咲良
177/237

対面 9


「美和!こちら、黒瀬さんと、もうすぐ奥さんの美咲さん」

黒髪ストレートの、姿勢の良い美人がこちらを振り返った。にこにこと会釈され、釣られて私もにこにこと会釈した。

「黒瀬です。お邪魔してすいません」

悠さんがよそ行きの丁寧語を使っているなんて貴重な瞬間だ。

「お邪魔だなんて…いつも主人がお世話になっております」

私もいつか、悠さんのことを主人って人前で言う日が来るのね。先にカウンターで頼んでいた生ビールと肉料理がテーブルに届いた。


「おい誠、主人、だって。こんな可愛い嫁さん、どこで見つけたんだよ?」

社交辞令だし、一ノ瀬さんの奥さんは確かに可愛らしい。でも、悠さんの口から他の女性を褒める言葉を聞くのは、ちょっと嫌かも。

「高校の同級生だったんですよ。昔、話したことあったでしょ?」

「え、あの、何年も引きずってた、その、彼女?」

「ちょっ、黒瀬さん、引きずってた、とか…。はい、その、彼女です。彼女、中学校の先生やってて、修学旅行でこっちに来たときに、再会したんです」

「そんなことあるんだな」

「俺ら、運命なんで」

慌てたり、顔赤くしたり、思いっきり惚気たり、見てて飽きない人だな。奥さんに至っては、慣れているのか、人前で抱き寄せられても構わずにそのままビールを飲んでいる。


「中学校の先生か。俺の奥さん、小学校の先生やってるよ」

悠さんの言葉に美和さんは顔を上げた。

「小学校、ですか。今は私も小学校なんです。何年生です?」

「人数のとっても少ない学校なので。一年生の算数とか2年生の国語とか、全学年の音楽と家庭科やってます」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ