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Emerald  作者: 藍沢 咲良
169/237

対面 1


「ふう…」

「美咲、その溜め息、何度目?」

運転する悠さんは苦笑いだ。今日は遂に、悠さんの実家に挨拶に行く日で。手土産は彼のお母さんの好物を事前にリサーチしていたから、きっと大丈夫。パステルカラーのワンピースに、髪型はハーフアップにした。毛先は巻いていない。わかりやすい「彼の実家への挨拶」スタイルだ。


「ガッチガチだな」

「は…は、るかさんだって、うちの実家行った時はガッチガチだったよ?」

「ガッチガチでも、俺はクリアできたからな」

「いや我が家と悠さんのおうちとは、緊張度は訳が違…」

「変わんないって。そんなに緊張するような家じゃ無いから大丈夫」

何言ってんのこの人は。庶民の家と社長の家を一緒にしないで頂きたい。


「あなたみたいな地味な子が付き合える子じゃない」悠さんの産みのお母さんの言葉は、棘のように、私をじわじわとずっと痛めつけていた。地味と言われても。派手に装うのは得意ではないし。人並みに華やかにするのは好きだけど、男ウケを狙ったような服は私には多分似合わない。悠さんは今の私を好きだと言ってくれている。だから、服の路線を変えることはしなかったのだけど、でもご実家となれば話は別で…。


「ねえ、悠さん」

「ん?」

「私、地味かなあ?」

「え、何で?そんなこと無いけど。誰かに言われた?」

「…悠さんの、お母さん」

「え?」

「前、マンションのエントランスで会ったときに」

「そっちの母親か。あの人が派手なだけで、美咲は地味じゃない。美咲の服は品があって、俺は好き」

「服だけ?」

「言わせたいの?運転中の俺に」


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