理由 12
「は、るか、さん…」
「ん…?」
床に崩れ落ちそうな私の腰を手で支えながら膨らみの先端を味わっていた彼が顔を上げた。
「早く…挿れて欲しい、です…お願い…」
目を見開いた彼はまた唇を何度も重ねた。
「早く、挿れてくれない、と…焦らされ過ぎて、私の身体、おかしくなりそう…」
唇が離れた隙に言うと、横抱きにされた。
「簡単には、挿れてあげない。俺の腕の中で、沢山、おかしくなればいい」
眼先で囁いて唇を奪うと、彼は寝室に向かった。寝室のベッドに優しく降ろされた直後、身に付けていたものは全て引き剥がされた。
全身にゆっくりと、でも丁寧に口づけを落とされる。口付けている間も敏感な箇所を攻め立てられて、何度か意識が飛んだ。さっきので、もう何度目なんだろうか。彼の立てるリップ音と、潤ったそこに触れられる度に聞こえる卑猥な水音。聴覚までもが性感帯になったようで、私の意識はどこかに行ってしまいそうだ。
硬く屹立した彼自身に布越しに手を触れる。この、硬さが欲しくてたまらない。そんなことを思ってしまう私は、何てはしたないのだろうか。ピアノの鍵盤を触れるように、弱い音を出す時のようにそっと指先で触れる。何度も触っていると、更に硬くなった。
「美咲…そんなこと、したら…」
「欲しいんです、はやく…」
悠さんの身に付けているものをそっと脱がせる。彼の裸体を目の当たりにして私の先端が硬くなったのを感じた。
攻撃の手は止むことはない。快感に襲われる度に言葉を紡ぐことはできずに、壊れたラジオのように同じ文字の羅列しか口にできない。
ぼんやりした意識の中、彼の胸に手を伸ばした。