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理由 4
「じゃあ皆さん、またね」
ひらひらと手を振ってトメさんはレジに向かった。会計を終わった2人は、ドアを開けた瞬間に手を繋いだ。
「うわぁお」白井先生が目を丸くしている。
「トメさんとシゲさん、手を繋いでましたよ。お熱いなあ……。で?」
「で?…とは?」
「安達先生、まだ逃げられるとでもお思いかしら?」
やっと安達先生を追及できる。この時を待っていたのだ。
「さあ、吐いて頂きましょうか、安達先生?」
白井先生もノリノリだ。
「安達先生、彼氏出来ましたよね?」
「う、うん…」
3人ともランチを食べ終えていた。勝雄さんを呼んでも問題ないのだけど。どうしようかな?
「彼氏、どんな人ですか?」
白井先生、分かってて斬り込んでるな。
「えっ…えっと…」
「説明しずらいなら呼んじゃいましょうよ。すみません、コーヒーお願いします!」
勝雄さんがキッチンからやって来た。
「はい、3人ともアイスでいいですか?」
「いいよね?はい、お願いします」
また安達先生と勝雄さんの視線が絡んだ。注文してるの私ですけど。熱々過ぎて、バレバレ過ぎて笑ってしまう。