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Emerald  作者: 藍沢 咲良
15/237

東風 7


「距離か。うーん、田舎故、かなあ…」

髭の店主が考えながら答える。


「田舎って保守的な面がある。よそ者に厳しいイメージあるじゃん。僕もここに店を構えたときは正直不安に思ったよ。歓迎されるかなって。場所によって傾向は違うと思うんだけど、あの人達は来るもの拒まない人達だった。だから何とかやって来れた。人見知りな方もいらっしゃるけど、それは田舎でなくても同じだろうし。…あの人達との会話、楽しかったでしょ?」


おじい・おばあズとの会話を思い返す。


「楽しかった、かもです…」

全員ずっとにこにこしてくれていたのが安心した。


「俺、前は水無瀬(みなせ)市に住んでたんだけど。そこにいた頃より人付き合いは楽になった気がするよ」

「え、私も水無瀬にいました」

「え?」

店主が目を丸くする。

「柿山にはいつから?」

「柿山には仕事で通うんです。住んでる所は鷺山のもう少し街中です」


不意にドアの鈴がカランコロンと鳴った。

「かっちゃん、まだやってる?」

背の高い男性が大きな声で入ってきた。

「ん、あれ…?女の子?珍しいな…」

(はるか)、遅かったな」

「団体さんが一気にお買い上げでさ。ランチまだある?」

「お前の分は取ってあるよ。作ってくるわ」

店主は言うなり、店の奥に消えていった。


悠と呼ばれた男性は囲炉裏の、私の真向かいの席にどかっと座った。そのままスマホを弄り出す。


窓側の席が空いていた。そっちに座ればいいのに。


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