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約束 9
「悠さんと、直接話してみないと何とも言えないみたいです」
「そうか…俺、歓迎してもらえるかな?」
若干不安気に話す彼に、父がヘソを曲げていることわわ伝えても大丈夫だろうか?黙っていても、そのまま当日を迎えてショックは受けるだろうし。
「美咲…その間は何?」
「その…父がちょっとヘソ曲げてるというか…」
「え?」
予想外の言葉だったらしく、悠さんの瞳が揺れる。
「俺、何か不味いことしてるかな?」
「父に、承諾を得ないまま一緒に暮らしてるのが気に食わないみたいで。私の身を守る為だとはわかってはいるみたいなんですけど」
私の肩に額をくっつけて長い溜息を吐くと、私を腕に閉じ込めた。
「美咲」
「はい」
「俺、お父さんに何発ぐらい殴られるかなあ?」
「えっ⁉︎殴られないでしょ」
「俺がお父さんに殴られたら、美咲、慰めてくれる?」
「だから、殴られないってば…」
「どれだけ殴られても俺、耐えてみせるよ。俺の愛情が試されるところだな」
「だから、悠さん…」