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約束 4
悠さんにしがみついて背中に腕を回した。
「というか…美咲…」
「ん…?」
「俺、こないだプロポーズ、したよな…?」
プロポーズだと思ってくれていい、とは言われていたけれど。あれ以来、その話題はしていなかった。
「あの返事、聞きたいんだけど…」
「あれは、話の流れで…じゃなかったの?」
「俺が美咲と結婚したいのは、本当」
腕から解放されて、目の中を見つめられる。
「改めて言うよ。美咲。俺と結婚を前提に、付き合ってくれないか。俺、一生美咲の隣にいたいんだ」
大粒の涙が溢れる。後から後から、どんどん溢れる。
「俺と結婚、してくれるね?」
涙が止まらなくて。沢山頷いた後、やっと「はい」と言えた。
もう一度悠さんにしがみついた。優しく込められた力を、一生感じる事ができるなんて、私は何て幸せなんだろう。
「両方の親に、挨拶行かないとな」
私を抱き締めたまま、ぽつりと言った。
私の両親は、多分喜んでくれるだろう。問題は、悠さんの御両親。あのお母さんにも報告しないといけない。