白南風 2
「あら?お酒あんまり飲まれないんですね。ソフトドリンク、注文されますか?」
「いや、まだ始まったばかりだから。せめてこのグラスを空にしてから」
「継ぎ足しましょうか?」
「じゃあ…って、結城先生、俺、そんなに飲めないから」
「ふふ、冗談です」
会席料理が順に運ばれる。刺身を食べつつ、ふと鈴木先生を見ると顔が若干赤く染まっていた。
「本当にお酒得意じゃないんですね。お顔、赤くなってますよ。烏龍茶頼みましょうか?」
「うん…お願いします」
スタッフに烏龍茶を注文する。ついでに私の分のレモンサワーも注文した。
いつもは悠さんに早めに烏龍茶を勧められてしまうけど。今日は隣にいるのは悠さんじゃない。自由に飲めるって、いいな。まだお酒は2種類目。飲み放題だし、沢山飲もう。
と、鞄のポケットに入れていたスマホの振動を感じた。悠さんからだ。
『飲み会、あんまり飲み過ぎるなよ』
『大丈夫です』と打ち込んでメッセージを送信した。
料理がどんどん運ばれる。小さな鉄板焼きも天麩羅も美味しい。
ハイボールを喉に流す。ここのお酒は濃いめに作られている。安い居酒屋だと薄めに作られてるけど、ここはお高めなお店だけあって、ちゃんとしてるな。