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疼き 8
悠さんは口角を上げると、私を腕で包んでいつもより長く唇を重ねた。
「じゃあ…ご褒美くれよ?」
「ご褒美?」
怪訝な顔をしていると、彼は私を横抱きにして立ち上がった。
「俺、今日はずっとベッドにいたかったんだよ。美咲と一緒に」
「へ…?本気だったんですか?」
「俺はいつでも本気」
機嫌良く寝室に向かう彼に横抱きされたままの私はなす術もなく。そのままベッドに戻されてしまった。
「悠さん、本当にずっとベッドにいるなら洗濯とお昼ご飯の準備をしてから…」
「今はいいの」言うなり私を組み敷いて唇を重ねて舌が侵入した。
「美咲、やっと好きって言ってくれたな」
「はい…好きです、悠さん」
「俺も、好きだ。美咲、もう一回言って?」
「好きです」
「いつから?」
「わかんない、です」
「言わないと明日も一日中ベッドから出さないよ?」
「じゃあ言わない」
「え?」
「私も、悠さんとベッドの中にいるの、好きだから」
噛み付くような彼のキスに、食べ尽くされるんじゃないかと思えるぐらい、私は翻弄され続けた。