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魔神女王  作者: 冬ノゆうき
11/58

貧乏領と脱却案 - フォーティス

スタルテラの領有争いのゴタゴタから戻ってきた次の日――


6日ぶりの執務に挑むオレの前には書類が積み上げてあった。

クラウサは何処も人が不足している。役人の類いが絶対的に足りず、何でもかんでも俺のところに決済が集まってくる。

いつもは毎日処理をしているから気にならなかったが、6日も溜めるとそれなりの量になってしまう。

そろそろ本気で役人を増やすか?それとも、ユークリッドに手伝って貰うか?

いやいや…蒼い血になったばかりの成人前の娘に何をやらせるつもりだ…オレは。

しかし昨日、そんなユークリッドの事を、蒼い血の者として義務を果たせるだけの力を付けたと、ゴンゴスに言ってしまったばかりだ。

あの時はユークリッドの剣と魔法の上達が思いのほか早くて嬉しかったのと、ふと親父の言葉を思い出して、勢いであんな事を言ってしまった。

あれについては、本人は隠そうとしていたみたいだが、ユークリッドからは好意的な反応だったので大成功と言えただろう。

しかし本音を言えば、ユークリッドはまだ若い――人によっては幼いと表現するぐらいの年齢だ。今はまだ子供らしく、勉強したり遊んだりしていて欲しいとも思う。

……あれ?

そう言えば、ユークリッドって勉強はともかく、遊ぶって事があるのか?

勉強はよくしていると思う。剣の稽古、魔法の学習、ともに毎日欠かさずやっている。しかし『遊び』となると、何もしてない気がする。

読書が大好きと言っていたが、それも半分勉強みたいなものだ。挙げるとすれば、勉強の合間にグラヴィスとしていると言うティータイムぐらいだろうか。

たまには屋敷の外にでも遊びに行かせてあげるか?

力の無い蒼い血の者を害する輩がいるかもしれないと心配で、外出を暗に認めていなかったが、先日、剣を合わせてみた感じでも並の輩共に遅れを取るようなことはないだろう。クラウサの領内なら好きに外出させても良いかもしれないな。

勿論、護衛は付ける。

それとあの女――エバンに娘が興味を持っていた事をまた聞いておくか。好みの色などは聞いた内容でピッタリ合っていたからな。

エバンは、ユークリッドの願いだからここに居る事を許可したが、使用人見習いとして手元に置いておいて正解だったかもしれん。存外、役に立つ。

そう言えば、あの者についてはミーシャも言っていたな。最近は本人の希望で庭の手入れをやらせ始めたとか。手入れが行き届いたなら、その庭をユークリッドと一緒に散策するのも悪くないかもしれん……。

ふむ………悪くないどころか、これってかなりの名案ではないか?

大好きな母親が手入れした庭を一緒に見て回る。それだけでもユークリッドの喜ぶ顔が容易に想像できる。庭の散策なら屋敷から出ないので心配も殆ど無い。しかもこれは十分『遊び』の時間と言える。

我ながら良い事を思いついたと内心自画自賛しながら、ふと部屋の隅に立ててある姿見を見ると、我ながら引くぐらいに顔がニヤけていた。

……。

そして、その顔の下。机の上にはまだ全く減っていない書類の山が残っていた。


………仕事するか。


こんこん……。


執務室で面白くもない報告書に目を落としてすぐに、部屋をノックする音がした。

「誰だ?」

「ユークリッドです。お義父様、少しお話したいことがあるのですが――」

ユークリッドだと!?

「入れ!入れ!全然忙しくないから問題ないぞ」

そう言うとゆっくりと扉が開き、中を覗うようにしながら愛娘のユークリッドが入ってきた。

「お仕事の邪魔にはならないですか?」

「ああ、問題ない。今日はそれほど処理する書類はないからな」

「そうですか」

嬉しくていきなり嘘をついてしまった。

ユークリッドも薄々気が付いているのか、苦笑を浮かべながらも扉を閉めると私の座る机の向かいに立つ。

「実は折り入ってご相談があります」

「うむ。何でも叶えてやる」

何故かユークリッドの顔が少し歪んだ。

勿論、顰めた顔も可愛い。

「……ちょっと重いですけど……まあ、いいです。えっと……蒼い血になってから、ここクラウサ領の事を色々と調べてみました」

「うむ」

「率直に言って―――貧乏ですよね。クラウサ領は」

本当に率直だな。

「まあ……そうだな」

「周辺の他の領地と比べても、経済力、軍事力ともに頭1つ低いと思います」

「……間違ってはいない」

「私はこのままではいけないと思うのです!」

「う…うむ…」

「確かにクラウサ領は歴史ある領地です」


2000年前。王国が建国した時に、初代魔神王は建国に多大な貢献をした20の魔人種達に1領ずつ領地を分け与えられた。その時に最初に出来た20領のうちの1領がクラウサ領になる。この20領は最初の領地という意味の『プリム・アグラム』と呼ばれて、長らく別格扱いされてきた。

明文化されているわけではないが、魔神王はこの『プリム・アグラム』のいずれかから輩出される事が慣例となっている。実際にクラウサからも過去に1人、魔神王を輩出している。

しかし近年は他の領地が軍事的、文化的そして経済的に力を付けており、相対的にクラウサ領の力は下がってきている。

このままでは何かの拍子にクラウサ領が存続できなくなるかもしれないし、何よりもクラウサに住む人々が豊かな生活をおくれない。


ユークリッドはよく勉強したようだ。クラウサ領の現状を分かりやすく説明する。

ただ、1点よくわからない箇所があった。

「ユークリッド。最期の『豊かな生活をおくれない』という下りの部分がよく分からなかったのだが、説明してくれるか?」

「え?……領地の経済が豊かではないということは、そこに住む人々も他領に比べて、経済的に貧しい生活をおくる人ばかりになると思うのですが……違うでしょうか?」

「……そうなのか?」

オレの返答にユークリッドの顔に疑問の表情が浮かぶのが目に見えて分かった。

「そうですよ?」

「そういうものか」

「………お義父様が今までどれだけ政に関心が無かったのかがよくわかりました」

「そこは否定しない」

「そこは否定してください」

ユークリッドが苦笑しながらも、話を続ける。

「経済的な豊かさだけ求めれば良いとは思いませんが、経済的に豊かではないよりは、豊かな方が良いと思います。

そのためにまず必要なのは他領の富をクラウサ領に少しでも移すことだと思います。それには他領がお金を出しても良いと思える特産品を準備することが近道なのかなと考えました。

お義父様がもしクラウサで他領に売れるような特産品と言われたら、何を思いつきますか?」

「特産品か……」

それはクラウサにしかない。もしくはクラウサで他領よりもたくさん取れるモノってことだよな。

「……………無いな」

ユークリッドがまた呆れ顔になるだろうと、少し楽しみにして答えたが、予想外にも肯首する。

どうやら正解、彼女と同じ答えだったようだ。

「そうです。クラウサに他領へ売れるようなモノが見当たりませんでした。ですから、それを今から準備していこうと思いました。それを実現するための施策を色々考えてみましたので、確認してもらえませんか?」

どうやらここからが本題らしい。

どれどれ……オレはユークリッドが差し出した数枚の紙を受け取って目を通す。全部で3案になるかな。

「時間も、人も、予算も、無限にあるわけではないので、とりあえず実効性が期待できるのを選抜してみました。全部で3つです」

ざっと目を通してみたが、しっかりと簡潔に纏めてあるのが分かった。さすがユークリッドだ。

逆にうちの役人共よりもよほど資料を作るのが上手いんじゃないか?

うちの役人共ときたら、ダラダラ前置きが長く、結論がなかなか出てこない上に、結局どうしたいのかが読み取りにくい資料を作ってくる。それに比べればユークリッドの出した資料の方が数段上だ。

魔法や剣術だけじゃなく事務能力も高いとは。

「ふむ………分かりやすい。ざっと見ただけでも理解できたが、とりあえず説明してくれるか?」

ユークリッドは頷き、1枚目を見て欲しいと言う。


「まずは街の北に広がる台地についてです――」

俗称『北の台地』と呼ばれている土地だ。

クラウサ盆地の北部には広い平地が広がっているが、周囲より標高が少し高く河川の類が無い為に常に乾燥している。

現状は家畜の牧草を確保するぐらいにしか利用されていない土地だ。

しかもその牧草すら、家畜の頭数に対して広大な範囲に広がっているために、殆ど活用されていない。と言うことが書かれている。

さらに渡された紙には、この大地の有効活用案として、台地の北側に、上流の四方山脈から流れ出る川から引いた水で人工の溜池を作って、台地全体を灌漑し、耕作農地にすると書かれていた。

「農地を増やすのか?」

「はい。街からそれほど離れていない場所にあれだけ手つかずの土地があるのです。幸い、現状でも農作物は領内で自給できているので、この農地で収穫できたものはそのまま余剰分として他領に売って資金を得ようかと考えています。

そしてその資金を使って、他の施策も進めます」


「次が鉱山の採掘環境の改善について――」

四方山脈に囲まれたクラウサには規模が小さいながらもいくつか鉱山が稼働している。その中でも北部にあるシルバーヘッド鉱山の産出量改善に取り組む。この鉱山は名前の通り銀鉱石を主に産出する。銀は魔力との相性がとても高く、魔法道具に必須の材料となる。さらに貨幣としても貴金属としても利用されるため利用価値が高い。しかし現在は理由があって採掘量が落ちているらしいので、その原因を調査して解決することで採掘量を増やし、特産品として他領へ輸出も検討するとある。

「シルバーヘッド鉱山か……オレも子供の頃に名前ぐらいは聞いたことがあるな。そうか、この鉱山って銀を採掘していたんだな」

「知らなかったのですか……」

「くくく…自慢じゃないが、シルバーヘッド鉱山がまだ採掘を続けている事すら知らなかったさ」

「『くくく』じゃないですよ。もぉ…」


「最期にテネブリス神殿の学校としての役割への支援について――」

王都には大学院があるように、教育というのはとても重要である。領民に教養がある事で、出来る仕事の幅が増え、さらに優秀な者は、領の役人や各職業のリーダー的存在となって、他の領民の為に働いてもらう。さらにその成果を教育に反映する。その好循環の起点となる施設として、学校としても機能しているテネブリス神殿の支援強化だそうだ。

「教育の質の向上。というところか?」

「はい。テネブリス神殿に任せっきりの領民への教育を資金面などでサポートしていこうかと考えています」

「なるほど。そのために必要なお金が――」

「はい。農作物や銀鉱石を売ったお金です」

なるほど、よく出来ている。

おそらくユークリッドが一番やりたいことは最後の教育の充実なのだろうな。

エバンに聞いたが『ユークリッド』という名前には学問に関する願いが込められているらしい。学業に繋がる環境改善には思うところがあるのだろう。

しかし、本人も最初に言ったようにクラウサは貧乏だ。

だからまずは活動資金を得るために農地開発と鉱山開発を進めるという計画らしい。

「ちなみにどれから始めるつもりだ?」

「全部始めたいですが、まずは農地と鉱山の開発ですね。特に農地は整備して作物を収穫するまでには少し時間が掛かりますので、喫緊には鉱山開発を進めたいと考えています。

……如何でしょうか?」

ユークリッドが期待と不安が半々に混じったような顔でこちらを窺っている。

答えは決まっているのだけど、即答すると何故か嫌がられるので、もう一度資料に目を落とした。

本当に良く纏められている。これを見ていると親父様――先代を思い出すな。先代も歴代の領主の中では内政を重要視していた。というか、あれは街作り、道作りが趣味みたいな人だったからな。このユークリッドの纏めた資料ほどには考えが足りずに行動していた気がする。

いま思うと資金の裏付けが甘く、どの施策も中途半端で終わってしまった感があった。

それに比べれば、このユークリッドの案はやはりよく出来ている。

「よろしい。やってみるといい。人と金が必要なら、可能な限り準備しよう」

「ありがとうございます!お義父様♪」

愛娘が満面の笑みを浮かべながらお辞儀をする。

ふむ。誰が教えたというわけでもないだろうに、相変わらず綺麗な所作だ。


「では、出来るだけ早めに一度、北の台地とシルバーヘッド鉱山には視察に行こうと思います」

「早めって、まさか今日行くつもりか?」

「いいえ。今日は――」

ユークリッドが机の上に視線を移す。

「お手伝いをしましょうか?私に手伝える事があるなら……ですけど」

「ある!」

……あ。

嬉しくて即答してしまったが、つい先程ユークリッドに手伝わすのは忍びないと思った事が脳裏に蘇る。

しかし、昨日は真反対の事をゴンゴスの前で言ってしまったのだよなぁ……。

返答に窮しているオレを見て『やはり手伝えるような事はまだない』と思ったのか、「無理にとは言いません」と口にしつつ、少し寂しそうな笑みを浮かべた。

いや、正直この書類確認なんてユークリッドでも、グラヴィスでもできる。

…………まあ、これも勉強の1つか。剣術と魔法の勉強をしているのだ。領主の――政の勉強も少しずつしていった方が良いだろう。

幸い、ユークリッドは政にも興味があるようだし。

「いや、ユークリッドがそう言ってくれるなら大変助かる」

オレは書類の山を指差す。

「居ない間に決済が滞っていた分が溜まっていて、目を通すのだけでも大変なのだ。少しユークリッドの方でチェックしてくれないか?」

「私にできるでしょうか?」

言葉では不安そうだが、本人の顔はやる気満々である。何だか可愛いな。

「問題あるまい。内容を確認して、問題なければ判を押すだけだ」

「分かりました。やってみます」

オレは簡易の椅子を1脚出してきてオレの横に置いた。

素直にその椅子に座ったユークリッドの前に書類の山の上から10枚ほどを彼女の前に置く。

「とりあえず内容を確認して、おかしな事に金を使おうとしていなければ承認で構わない」

「……数字とかはチェックしなくていいのでしょうか?」

早速、1枚目を手に取りながら確認してくる。

「桁間違えをチェックするぐらいだな。細かい数字や項目までは見る必要は無い」

「故意に変えられたり、増やしてたりという事はないのでしょうか?」

要するに役人どもの不正が無いのか。という事を心配しているのだな。

「その心配は無い。普通の紅い血の者達は蒼い血を騙そうなどとは考えない。蒼い血の者の不評を買えばそれが即、自分の死と直結するからな。小さな不正などしても割に合わない」

「なるほど……」

それに下手に暴いた結果、その役人を見せしめに喰らったとしても一時的に腹は膨れるが、ただでさえ少ない役人の数が更に減り、回り回って自分の仕事に支障を来す。どちらにとっても割に合わない。

だから、小さな、計算間違えなのか、故意なのか、よく分からない間違えは黙認している。

わざわざユークリッドにそんな裏事情を話したりはしないがな。

「気になるところが無ければユークリッドが判を押して構わんぞ。判はこれを使えば良い」

クラウサ領主の判を指さした。

「いいのですか?……分かりました。ではお手伝い始めますね」


しばらく部屋に静かな時間が訪れる。

夜の涼しい風にのって外から聞こえる微かな虫の音と、2人の手元から発せられる紙が擦れる音、それだけが聞こえる音だった。

ちらっと視線を横に向けると、ユークリッドが真剣な面持ちで書類に目を通している。

軽く確認するだけで良いと言ったつもりだが、元来の真面目な性格の所為か、政にはやはり興味があるのか、とても真剣な表情だ。

それは見ていて飽きない光景だったが―――おそらくあまり見ていると『私を見ていないで、ちゃんと仕事をしてください』と彼女に怒られるだろう。間違いなく。

それはそれでご褒美なのだが………たまには仕事をしている父親というものを見せておいた方が良い気がした。

そうすれば『重い』と倦厭されるようなことも嫌がられずに受け入れてくれるのではないだろうか。うん。

「……お義父様」

見ると、いつの間にか書類から顔を上げてユークリッドがこっちを見ていた。

まさかオレの内心企んでいる事が読まれた?

「この部分なんですが――」

1枚の書類を手に、身体を寄せてくる。

ふぅ~どうやら下心がバレたわけではないようだ。

「どうした?」

「この街灯の維持管理費。計算は間違ってないですけど、あまり使われていない街道の名前が一杯挙がってるのはいいのでしょうか?みんなが使う街道だけに絞った方が――」

ユークリッドが話を途中で切って、オレの方を不思議そうに見ている。

「…どうした?」

「………鼻」

「鼻?」

「すごく膨らんでます」

どうやら無意識のうちに、近くに寄ってきたユークリッドの身体の匂いを嗅いでいたようだ。思いっきり。

「……私の匂いなんて嗅いでも楽しくないでしょう?」

「そんなことはない!楽しい!とっても!」

「うわ……」

ユークリッドが半眼でとても冷たい視線をオレに向けてくる。

それでも露骨に身体を離したりはしない。嫌われているわけではないよな。

というか、オレが言うのも何だがここまで言われているのに少しガードが甘くて逆に心配になってきたりもする。

「う~む……いや、楽しいとはちょっと違うな。嬉しい……でもないし、安心する。が一番近いか?」

「えっと………そんな事を真面目に答えられても困ります」

いつものように少し呆れた風に小さく溜息をつくユークリッド。でも身体を離したりしないのはそれなりに懐かれているのだと思う―――思いたい。

「そ、それよりも街灯がどうした?」

「ああ……これです。殆ど使わない道の街灯を毎夜つけるのは勿体なくないでしょうか。そもそも私達ナイトウォーカー種は夜目が利くので、あまり街灯自体が意味を成してない気がします」

「言われてみればそうなんだが、ナイトウォーカー種以外の魔人種も少ないがいるからな。完全に街灯を無くすというのは難しい。

しかしクラウサにいる他の魔人種など行商人ぐらいだからな。無駄が多いと言えば、多い」

「それなら――」

「しかしな。この仕事を減らすと、仕事が無くなる者がいる。だから雇用確保の側面もある―――と役人どもが言っていた」

「それは……街灯が減れば、それだけ管理する人手も減って仕事を失う人がいると言う事ですね?……なるほど。言いたいことは理解できます。

それではこういうのはどうでしょうか?」


ユークリッドの提案は、簡単に言えば

『代わりの新しい雇用を生み出す』

というものだった。


「北の台地の灌漑が始まれば工事に携わる人手が必要になります。

そして開墾が出来れば、クラウサの街の周辺の農地は一気に2倍に広がります。農地を管理する人が必要になります。

シルバーヘッド鉱山の採掘量が改善すれば、当然坑夫さんも増やす必要があります。

神殿の学び舎を大きくすれば、通う子供も増えて、その子達に勉強を教える先生が必要になります。

3つ全部が成功しなくても、1つでも成功して軌道に乗れば、街灯を見回る人達の新しい職が準備できると思うのです」

最初に企画書を持ってきた時、よく出来ていると正直思った。愛娘からの提案だったから即答したが、他の者からの提案であっても吟味する価値があると感じたと思う。

しかし、その計画にさらに新しい職の確保という価値をつけてきた。

このように話が進むように計算して、あの書類をオレに見せたのかも知れない。

いや……もしかしたら、最初にオレの手伝いをすると言ったところから計算づくしだったのかも知れない。

「如何でしょうか?お義父様」

「うむ。文句ない」

「ありがとうございます。でも私の提案だからって即答せずにちゃんと考えてくださいね」

いやいや!父は今のはちゃんと考えて答えてるよっ!?

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