オカマだけど平凡な生活に戻れそうです
あの告白を断ってから一週間白鳥は自分の中でうまく折り合いをつけやっているようだ、泰三はというとまた以前の安らかな日々を満喫していた。
「んふ、やっぱりさわやかな空の下でのティータイムは格別ね、鳥さんたちも気持ちよさそうに空を泳いでいるわ」
すると安らかな生活を壊すように嵐が訪れた。
『バンッ』
「ちょっとオカマ! いる?」
屋上のドアを勢い良く開けオカマと呼んだのは他の誰でもない白鳥だった。
「あなたあたしの時だけ態度あからさまに違くない!?」
「当り前よ、あんたのせいであんな恥ずかしい思いしたんだから!」
「結果的にはうまくいったみたいだからいいじゃないの」
「よくないわよ!」
「で、何の用なのよ、まさかこんなこと言うためだけにここに来たわけじゃないんでしょ?」
「あっ、そうだったそうだった」
すると、ハッとなにか重要な事を思い出したかのように手をポンとした。
「??」
「あなた私と演劇にでなさい!」
「はっ?」
「だから私と演劇に出なさいって言っているのよ」
「い、いや聞こえているけどなんであたしがあなたと?」
「理由があるのよ、理由が」
「理由?」
「そう、もう少ししたら文化祭があるでしょ? みんなの話によるとうちの文化祭ってなんか伝統があるらしいじゃない」
確かに、うちの文化祭は創立以来演劇部率いる3年生のクラスが代々優勝してきたという歴史があったような、なかったような
「でもそれとあたしたちが演劇をやらなきゃいけないのとに何の関係があるの?」
「うちのクラスに高坂真緒っていう演劇部の子がいたでしょ?」
「いるわね、あの子演劇部だったのね」
「ふ~ん、あんた女子と結構仲良くしているのにそんなことも知らなかったんだ、今度言いつけちゃお~っと」
「ちょ、な、なにを言っているの!?」
「まあ、それはそうとして、その高坂さんが先輩に自分達のクラスも文化祭で演劇をやりたいって言ったらしいのよ」
「はぁ」
なんであたしこんな話聞かされているのかしら……
「そしたら3年生の人たちが『別にいいけど演劇部に泥を塗るようなことはするなよ?』っていったらしいのよ」
「それはムカつくわね」
「でしょ? あなたも多少は分かるじゃない!」
「なにその上から目線……」
「で、その子もムカついたみたいでその先輩に『私たちのクラスが優勝してみせます! 先輩こそ泥を塗る真似はしないでくださいね!』って啖呵切っちゃったみたいなのよ」
「oh」
それはまた大きく出たものね……
「それで大見得切っちゃったけどどうしようって相談してきたのよ」
「なるほど、それであなたは引き受けちゃったってわけね」
「しょうがないじゃない、友達が悩んでいたんだから断るなんてできないでしょ?」
「あんたそれがあたしだったらどうしたのよ」
「そんなの無視するに決まっているじゃない」
「……」
ですよね~
「で、それでなんであなたとあたしなの? 高坂さんはでないの?」
「私もそういったんだけど、『私は裏方担当だからお願い!』っていわれたのよ」
「そ、そうなの……」
「で、美女と野獣をやりたいっていうからどうしようかって思って、野獣と言ったらあんたかなって、まぁ、主役が無理だったとしてもモブでもいいから」
「どういうこと!?」
「そういうことよ、あなた私のこのパーフェクトボディを転校初日にジロジロ見ていたじゃない、すごく気分が悪くなったわ。それにあなた私に変なアドバイスして恥をかかせたじゃない、その借りを返しなさい」
「そ、それはいくらオカマって言っても男を証明するものはついているんだから仕方ないでしょ!? しかもあなたも悩みが解消できて結果的に借りは返しているじゃないの!」
「言い訳するなら行動で示しなさい!」
「くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
そして結局泰三は白鳥の人助けに協力するはめになり、放課後高坂さんを交えて作戦会議をすることになった。
「よしっ、これでそろったわね」
……
「泰ちゃんありがとうね、私の見栄のせいでこんなことに巻き込んじゃって……」
「え? い、いえいいのよ、友達の悩みなら友達であるあたしたちが一緒に考えるのが筋ってものでしょ?」
「さっきはあんなにしぶっ……」
白鳥が余計なことを言おうとしたので口を手でふさぎ、小声で言った。
「ちょっとあなた余計なこと言わないでくれるかしら」
「あ、あんた! 次そんなことしたら殺すわよ!?」
「し、白鳥さん……?」
みんなの前で猫をかぶっているのを忘れていたのかハッっとすると
「な、な~んて冗談だよ~、どう? うまいでしょ?」
「すごい、私本気で言っているのかと思っちゃったよ! やっぱり主役は白鳥さんにやってもらって正解だったよ!」
「で、でしょ~?」
「それはそうとうちの文化祭は出し物多数決で決めるのだけどそこのところはどうするの?」
「「えっ?」」
「えっ?」
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