オカマだけどお悩み相談中です!3
「あなたは他人のことを考えているようで自分が嫌な気持ちにならないように納得できる告白に対する答えを探している」
「そんなこと……」
もしかしたらそうなのではないか、そう白鳥は思い『そんなことはない』と口に出そうとしたが途中で止まった。
「相手が傷ついている姿を見ると自分も嫌な気持ちになる、だからいつも告白されると上辺だけの言葉を並べてできるだけ傷つけないようにと断る」
「……」
「結局自分が嫌だから他人のためと言い張り解決方法を探そうとしている」
他人の傷つく姿を見ると自分も痛いから悩む、それだけでももう自分より他人のことを思っている優しい子……でも今の彼女には、いや一生気づかないかもしれないわね。自分が優しいなんて
「私は、結局自分のことだけを考えていたの……?」
「あなたが本当に他人のことを傷つけたくないなら言葉を取り繕っていないで誠心誠意相手の気持ちを受け止めてちゃんと返事をしてあげることしかないのよ、それが一番相手を傷つけない方法よ」
「誠心誠意……」
「どうせ傷つけてしまうのなら真剣に相手の目を見て答えてあげなさい、それだけで自分のことを真剣に考えて答えてくれたことは伝わるわ」
すると彼女は一点を見つめながら動かなくなった、考えているのだろう。
自分がこの先どうすべきかを。
「「……」」
しばらくこの静寂は続いたが、唐突に終わりを告げた。
「……うん、そうよね」
「??」
「悔しいけどあなたの言うとおりね、断るってことはどんなに言葉を重ねても必ず傷つけてしまう、それなら態度で自分がどれだけ真剣かを伝える」
「え、ええ」
予想では今日一日、それか二日くらいは考え込むことを考慮していたから予想以上に心の整理がつくのが速く驚いた。
「それでやってみるわ、今日はその……ありがとね。じゃ」
「え、ええ」
あまりにも唐突に帰宅した彼女に泰三の時間は追い付けないでいた。
そしてまた翌日。
「白鳥さん! 僕と付き合って一緒に筋トレに励もう!」
時は昼休み、昼食を終え、白鳥が友達と喋っていたところに筋トレ部の部長が校舎裏に白鳥を呼び出した。
「それにしても泰三が白鳥さんの告られタイムを見たいなんて珍しいね、一体どんな風の吹き回し?」
「うるさいわね中村、聞こえないから静かにしていなさい」
「はい、はい」
「ていうかなんであの人さっきから両手を上げて力コブを作っているの?」
「あ、ああ、あれはなマッスルフォームと言ってあの人の決めポーズらしい……」
マッスル……フォーム……?
『白鳥さん! 僕と付き合って一緒に筋トレに励もう!』
「うわっ、なんだあの告白の仕方一緒に筋トレしようとか何とか言っていなかったか!?」
『ごめんなさい。私にはあなたの気持ちに答えることはできないわ』
短い返事だ、しかし白鳥はいたって真剣な顔で相手の顔を見つめ目をそらさない。
『そうか……ありがとう、そこまで真剣に考えてくれて、筋トレ部に入りたかったらいつでも言ってくれ!』
そういうとマッスルフォームをしたまま『ハッ!』『ウンンンンン!』などと息を漏らし消えた。
「あれ、なんか白鳥さん変わったかな? いつもならもっと色々理由をつけて断るのに……流石にあの白鳥さんもあのマッスルフォームを見て言葉を失っちゃったのかな?」
「そ、そうねあれは強烈だったわ、さてあたしたちも教室に戻りましょ」
「おう!」
そして始まった五時間目、昨日までの表情とは一変して元気を取り戻した白鳥のおかげでクラスにも明るさが戻ったようだった。
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