オカマだけどお悩み相談中です!2
翌日の昼休み
「白鳥ちゃん! 俺と付き合ってください! 絶対幸せにして見せます」
そう三年の先輩が手を伸ばし、白鳥がその手を取るのを待っている。
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『いい? その方法はね』
答えようとする白鳥に昨日の泰三との作戦が頭によぎる。
『方法とは?』
『相手をタケノコだと思い込むことよ』
『アホかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
白鳥が泰三を殴り飛ばし怒鳴りつけた
『な、なんで殴るのよ、あたしは本気で言ってるのよ』
『本気もなにも、相手をタケノコと思えなんてできるわけないでしょ? あんたついにいかれたの?』
『これくらいがちょうどいいのよ、あなたは他人の事を考えすぎなの。だから相手をタケノコと思えばちょうどいい感じに飽和されるのよ! だまされたと思ってやってみなさいよ』
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《相手をタケノコのように考える、相手をタケノコのように考える……》
すると相手の体がみるみるうちにタケノコに
(ニョッキニョッキ、ニョッキニョッキ、タケノコー!)
「ってなわけないでしょー!!」
「え、あそ、そうか、なんかごめんな……うわぁぁぁぁぁぁ~ん」
泣き叫びながら走り去っていった。
「え、あ、今のはそういうことじゃなくて……」
引き留めようとしたが既にその姿はなかった。
「ちょっとどういうことよ! 全然うまくいかなかったわよ? ていうかいつも以上に最悪だったわ」
ホームルームが終わり黄金色に輝く教室に一人白鳥の結果を待つため残っていた泰三のもとに顔を真っ赤にし、不機嫌そうな白鳥がやってきた。
「ちょっ、ちょっと待ちなさい、何がどうなったのか説明しないと分からないわよ」
「どうもこうもないわよ、あんたの言われた通りタケノコをイメージしたけど、できるかぁー!って叫んだら断られたと思って泣き叫んで走って行っちゃったじゃない!」
「それはあなたのせいじゃない!」
「そもそもタケノコの話をしたあなたが悪いじゃないの!」
「それはそうね……」
「あーもうあなたに相談した私がバカだったわ、タケノコなんてアホらし」
普通に信じて実行した人がいまさら何を言っているのかしら……実は結構バカなのかしら
「そうねぇ、タケノコ作戦がダメだともう奥の手しかないわね」
「奥の手? どうせ碌な事じゃないんでしょ、私はやらないわよ」
「でもこれが唯一の解決方法だっていうのに? そうねぇ、嫌ならしょうがないわね」
白鳥の眉が唯一の方法と聞きピクッっと動いた。
「そ、そこまで言うなら話だけでも聞いてあげてもいいわよ?」
「諦めましょう」
「は?」
「いやだから、諦めるのよ」
「……」
「……」
「はぁ? あなたバカじゃないの!? 悩みを解決してほしいって頼んでいるのに諦めようって言うバカがどこにいるわけ!?」
ここにいるけど……って定番の言い回しは置いといて。
「そもそも相手を傷つけないようにっていうのが無理な話なのよ、断るという選択肢自体がもう傷つけてしまっているのに、外堀をどう埋めようとその事実は変わらないわ」
「そ、そんなの理不尽じゃない! 勝手に好意を押し付けられて傷つけるか自分の気持ちを押し殺して付き合うしかないなんて!」
「そうよ、告白っていうのはされる側にとってはその人のことを好きではない限り理不尽そのものでしかないわ、でも相手もそれを承知の上でしているの」
「そんなっ……」
白鳥は告白というシステムの理不尽さを知りどうしようもないと悟ったのか顔を悔しそうに伏せた。
「告白する側はあなたに傷つけられるかもしれない、あなたに重荷を背負わせてしまっているかもしれない、そんなこと諸々全部承知の上よ! それを踏まえても止められないのが恋ってものでしょ?」
「恋なんてしたことないからそんなこと言われても知らないわよ!」
「いつかあなたにも分かるときが来るわ」
「そんな感情知りたくないわよ……」
そう掠れた声で言うと地面に座り込んだ。
「だからこの悩みの解決方法は傷つけないという選択肢を諦めるしかないの」
「だからそれじゃあ何の解決にもなってないじゃない……」
「あなたは自分が逃げることしか考えていないのよ」
「そ、そんなことないわよ! 考えているからこそこんなこと相談しているんじゃない!」
勿論、白鳥が自分より他人のことを優先して考えていることは分かっている。しかしこのままでは何も話は進まない、嘘でも気持ちに変化を出さなければ先には進めない。
だから嘘をつく。
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