オカマだけど約束はちゃんと覚えておきましょう!
あまり身にならなかった勉強会の次の日、また泰三達は玲子の家に集まり徹夜で勉強をしたおかげでなんとか数学の赤点をまぬがれてやっとまた優雅なオカマライフを送れると思った矢先、白鳥玲子はやってきた。
「どうやら赤点はまぬがれたようね」
「ええ、今回はあなたには世話になったわね」
泰三と玲子は見つめあい何か友情のようなものを感じあっていた。
「じゃあ、早速約束は守ってもらうわよ」
「え……?」
「え……? じゃないわよ、約束したでしょ? 勉強を教えてあげる代わりに何でも言うことを聞いてくれるって」
「い、いやそれは覚えているけど、今あたしたち友情みたいなの感じあってなかったかしら?」
「は? 友情? あんた何気持ち悪いこと言ってるの? ていうかいつから友達って言えるほど仲良くなったのかしら」
玲子は相変わらずの冷たい言葉を言い放った。
「ああ、そうよね……ははは」
あの徹夜勉強を通してなんか親近感がわいてきてしまっていたのだろうか……死線をくぐったら心が通じる的なあれで。でも玲子はそれも全く感じていないようだった。
「あんたには今週の日曜日に買い物に手伝ってもらうわ」
「買い物?」
「ええ、買い物よ」
玲子はなぜか誇らしげに胸を張り言った。
「買い物くらいなら別に普通に言えばついていっても良いのに」
「本当!? あ……うおほん! い、いいのよ別に、買い物で!」
「そう、分かったわ、今週の日曜ね」
「え、ええ」
そう言うと何か微妙な顔をして自分の席へと戻っていった。
「いいなぁ~、お前ばっかり良い思いをして……」
すると今の話を盗み聞いていた中村が話しかけてきた。
「いい思いってなんのことかしら? 荷物持ちに変な性癖でもあるのかしら、ヤダ汚らわしい」
「ちげえよ! はぁ、もういいわ、お前は爆発でもしてろ……」
「??」
そして昼休みになり、屋上でいつも通り一人でお茶を飲んでいると錆びれたドアが開く音が聞こえた。
「ん? また何も知らない子羊が迷い込んできたようね、いいわ、この私の場所に来たことを後悔させてあげるわ、んふふふふふふふうふ」
「た、泰ちゃん……? 前も言ったけどその笑い方はやめた方がいいよ……」
いつものように特技の一つである人除けをしてみたところ、良く聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あら真緒ちゃんだったのね、てっきり知らない人かとおもったわ、どうかしたの?」
「あ、あのね? 泰ちゃんにお願いがあるんだけどいいかな?」
「お願い? 真緒ちゃんにはテスト勉強の時にお世話になったからあたしにできることならなんでもいって」
「本当!? じゃ、じゃあ今週の日曜日ちょっと買い物に付き合ってくれないかな?」
「え? 買い物? 別にいいけど……」
今週の日曜日は休む暇はなさそうね……買い物……?
「本当!? じゃあ詳しいことはまたメールするね!」
「え、ええ」
「じゃあ~」
高坂真緒が錆びれたドアを閉め立ち去った後に日曜という言葉に引っ掛かり考え込んでいると玲子とも日曜に買い物に行く約束をしていたのに気がついた。
「あ……白鳥さんとも日曜約束してたわ……まあ、なんとかなるでしょう、それより静かでいい天気だわ~」
この時、この静けさが嵐の前の静けさということに泰三は気づくことすらできていなかった。
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