オカマだけど白鳥さんのお家で勉強会をしたいと思います!2
午後三時、中村と真緒ちゃんがお菓子や飲み物の買い出しに行って、白鳥玲子と二人きり。
中村がなぜか機嫌が悪い原因が泰三にあると言い残し半ば強引に真緒ちゃんを連れだして行ってしまい辺りはピリピリした空気が流れ、二人とも勉強以外のことは一切話さずとても気まずい雰囲気で勉強を続けている。
「あ~、ちょっと飲み物飲みすぎたかしら、ちょっとトイレに行きたくなった来たわ」
「そう」
玲子はなんとも薄っぺらい反応を示すと自分の勉強に戻ってしまった。
「……お、お手洗いはどこかしら?」
「そこの扉を開けたらすぐ左側にあるわよ」
「あ、あらそうありがとう」
「さっさと行ってきなさいよ」
そんな雰囲気に耐えられず取り合えずトイレに避難して作戦を立てることにした。
「い、一体何が気にくわないのかしら……このままじゃ気まずすぎて勉強どころじゃないわ、何とかしないといけないけどどうしようかしらねぇ、なんで前回会話したときとこうも態度が変わるのかしら」
そして悩みに悩んだ結果結局本人にそれとなく理由を聞きだすしかないと決断した。
「遅かったわね」
「え!? そ、そうかしら、いつもこのくらいよ! このくらい!」
「そう」
「そ、そう言えば白鳥さんって最近なんかあったりしなかった?」
玲子は愛用のコップに口をつけ飲んでいるのをピクっと止め、鋭い目つきでこちらを見た。
「はっ? 急に何?」
やめてぇっ! 喧嘩腰で喋るのやめて!
「い、いえ別になんかいつもと雰囲気が違うなぁ~なんて思ったり思わなかったり……」
「別にいつも通りよ」
「い、いやぁ~でも本当にいつもと違うというか……」
「しつこいわね、中村君があんたが私の性格のことを糞だのなんだの言ってたことを聞いたからとか別にそんなんじゃないわよ」
「へ?」
「ええ、そうですよ、私の性格が糞でわるうござんしたねえ」
なんで結構前に流行った口調……? っていうか中村あの野郎! 結局はあいつの仕業ね! 余計な事を言いやがって……
そう思うと頭の中の中村が頭を軽くたたきながら『てへっ、うっかり言っちゃった』なんて言ってるのが浮かび腹がたってきたが、今はこっちの機嫌をとるのが先だ。
「い、いやそれは!」
「何? 違うの?」
違うわけでもなく、否定できなくて下を向きながら正直に言う。
「い、いえ、違うって言うわけではないのだけれど……」
「ああ、そうもういいわ」
そして顔を少し上げ白鳥さんの表情をうかがうと、さっきよりも表情がけわしく今にもイライラが爆発する寸前のようだ。
「ち、違うのよ」
「は? 今あんた違わないって言ったばっかじゃない、そんなすぐばれる嘘をついても、」
「う、嘘じゃないわよ! 確かに転校してきたばっかりの頃はそう思って中村に言ったわ」
「ほら、やっぱりそう思っているんじゃない!」
「話を最後まで聞きなさい、最初はそう思っていたけど文化祭のこととかを通して今は優しい、いい人だって思ってるのよ、それに中村が最初の頃はとかなんとか言ってたでしょ?」
「あ……」
すると思い出したかのように、あっと声を出すと同時に顔を朱色に染めた。
「これで誤解は解けたかしら?」
「わ、悪かったわね、でもあんた少なくとも最初は私のことを糞って思ってたわけ!?」
「そ、そこはいいでしょう」
「良くないわよ!」
「ていうかあなたがオカマ糞、キモいみたいな偏見で話しかけんなオーラだしてたからじゃない!」
「なんですって!? それはあんたの妄想でしょ!? 私はそんな偏見は持ってないわよ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 絶対持ってましたー」
「持ってませんー」
二人がベロを出しながらお互いを煽りまくっていると買い物に出かけた二人が戻ってきた。
「お、二人とも仲直りしたのかぁ~、良かった良かった」
「うん、良かったね」
「ていうか中村あなた余計なこと言ってんじゃないわよ……」
「てへっ、うっかり言っちゃった」
「こいつ……」
真緒ちゃんが本当に安心したような顔でへたり込んだ。
「真緒ちゃんどんだけ安心してるの……」
「だって玲子ちゃんさっきまですごい怖い雰囲気醸し出してたよ?」
「そ、そう? ごめんなさい……」
「ううん、仲直りしたみたいならいいよ」
「だよねぇ~」
「「「「あははははははは」」」」
四人は笑った、勉強会しに来て結局こんな時間までお互い気を使いあってほとんど勉強は進んでいなかったことに対し、呆れからきた笑いだった。
「ん? ってちょっと待ちなさいよ、あたし月曜しくじったら留年なんですけど! 笑っている場合じゃないわ!」
「「「あ」」」
三人はなんのためにこの勉強会を開いたのかを思い出し今度は固まった。
すると真緒ちゃんが呆れたように呟いた。
「明日も……勉強会だね……」
「「「そうだね……」」」
一同はそれ以上何も喋ることなくそれぞれの家に帰宅した。
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