オカマだけど白鳥さんのお家で勉強会をしたいと思います!
「なにー!? 白鳥さんの家で勉強会だと!?」
白鳥玲子との話し合いの末、散々罵倒されようやく勉強を教えてもらう約束を取り付けたのだ。
そして今、その結果を中山に報告しているところだ。
「え、ええ、そんなに驚くことかしら、そもそもあなたが教えてもらえっていったんじゃない」
「いや、いったけどよ、まさか白鳥さんの家でやるなんてよぉ、普通放課後とかだろ!?」
「いや知らないわよ」
「……取り敢えず俺も混ぜろ」
「は? あなたバイトじゃなかったのかしら? だからわざわざ白鳥さんに恥を捨てて頼みにいったんじゃない」
中村は少し考え込むと強い口調で訳の分からないことを主張してきた。
「だってよー! お前と白鳥さんが二人きりで勉強会なんてもしものことがあったらどうするんだよ! そんなこと考えたらバイトなんて行ってられるかよ!」
「……」
******
「あのー? 泰三くん? なんか一人増えてるようだけれど……」
そして場面は変わり白鳥玲子の家の前にいる。
「あ、ごめんね白鳥さん、俺同じクラスの中村だけど泰三が今回のテストで赤点取ったら留年って聞いて放って置かなくて」
こいつは……よくもまあ口から出まかせをこんなにすらすら思いつくものだ。
「い、いえ、いいのよ、それもこれもそこにいる人が悪いのだから」
声色が少し怒っている時に出すものだ、中村には分からないようだからなぜか分かる。
そしてインターホンがプツリと切れるとドアが開き、玲子が降りてきた。
「入って」
「おっじゃまっしまーす!」
「お邪魔します」
「っていうか白鳥さんってこんな凄いところに住んでたんだねー! 俺びっくりしちゃったよ」
「そうかな? ありがとう」
確かにすごい、駅も歩いて十分、それでいて高層マンションの二十階、裕福な家庭なのだろう。
「あ、泰ちゃん、それと中村くんも来たんだ! こんにちは」
「!! 高坂ちゃんまで!」
「あら、真緒ちゃん、あなたも教えに来てくれたの?」
「うん、泰ちゃんには借りがあるしね、それに留年してもらったら困るし……」
「?? ありがとう」
「それじゃあ、さっさと始めちゃいましょうか」
こうして泰三留年阻止計画は始まった。
「あ、泰ちゃんそこはそうじゃなくて…」
「え? あ、ああ」
「泰三、そこはこうだぞ」
「ん? なるほど」
「違う! そこはこう!」
「は、はい!」
も、もうなんか帰りたくなってきたわ……
そして玲子の圧に押され、もう帰りたくなってきた時、中村の野郎がヒソヒソと話しかけてきた。
「なぁ、白鳥さん軽く怒ってないか?」
「そうかしら? いつものことじゃないかしら」
「いやいやいや、完全に怒ってるって、見ろよお前のことめっちゃ睨んでるぞ」
中村に言われるがまま斜め左の方向を見てみると、すごい形相でこっちを見つめる視線が一つあった。
「え? あたし何もしてないわよ? どちらかというとあなたが勝手に来たから怒ってるんじゃないの?」
「いや、あれは絶対お前に対してだよ、俺はそういうのには敏感だからわかるんだよ」
「そ、そんな無駄な特技があったのね……知らなかったわ」
「ひどくね!? ってそれは今はどうでもいいとして、お前早いうちに謝って来いよ、なんかものすごく空気が悪いぞ! 高坂ちゃんを見てみろ、気を使いすぎてもう既に笑顔が引き攣ってきてるぞ」
そしてまたもや言われるがまま今度は右斜め前を見てみると、口角をピクピクと引き攣らせている女の子が一人。
「はぁ、分かったわよ、何を謝ればいいか分からないけど謝ってくればいいんでしょ?」
「ああ、そうしろ、援護は任せとけ」
「はぁ……」
援護……?
「あ、今日俺が突然来ちゃったから飲み物とかがもうすぐなくなりそうだ! ちょっと買ってくるよ」
「あ、それなら私が……」
「いいよいいよ、白鳥さんは泰三に教えててよ、一番教えるのうまいし」
「でも……」
「あ、そうだ、良かったら高坂さんも来てくれない? 選ぶの手伝ってほしいから」
「え? あ、私? 別にいいけど……」
「それじゃあ、さっさと買ってきちゃおう! 泰三がんばってやれよ?」
多分勉強のほうではなく、うまく仲直りしろよと言っているのが伝わってきた。
そして二人はそそくさと買い物に出かけてしまい泰三と玲子の二人きりになってしまった。
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