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オカマだけど期末テストが迫っています!

 ようやく暑さがおさまり、肌寒くなってきた頃、泰三達には高校生にとって最悪の危機が迫っていた。


「なあ泰三、お前確か前数学赤点じゃなかったか? 来週の期末テスト大丈夫なのか?」


不意に中村が聞いてきた。


 普段肝心なことに限って覚えていないくせにこういうことだけはいつも覚えている、もっと別の事に頭を使ってほしいといつも思っている。


 実際、数学だけは中学の時も赤点か赤点ギリギリのラインをいつも彷徨っていた。


高校にもなると注意だけでは済まされず、留年という何ともめんどくさい制度があるから前回赤点を取ってしまった泰三は今回赤点を取ったら非常にマズいことになってしまうのだ。


「そうなのよね~、今回赤点を取ったら留年確定なのよね」


「それは流石に笑い事じゃ済まないぜ? 俺が教えてやりたいものだけどバイトもあるし教えてる余裕無いしな~」


「あなた別にそこまで頭いいわけではなかった気がするのだけれど……」


「でもお前よりはできる。だろ?」


「確かに……」


 ちっ、他の教科ならあたしのほうが上って言うこと忘れているのかしら……


「あ、そうだ! お前最近憎たらしいけど白鳥さんと仲良くなってるよな?」


「ん? いや別に仲が良いというわけでは……」


「でも最初の時よりは仲が良いだろ、なら白鳥さんに頼んでみたらどうだ? 学業も完璧だし」


「くっ、なんであの子は何でもできるのかしら……天は二物を与えずとは嘘ね」


「なりふり構っているほどお前には余裕があるのか?」


「そう……ね……」


 そしてもう自分がなりふり構っている暇が無いということを理解すると、早速行動に出ることにした。


 白鳥玲子が昼休み昼食が終わりトイレから帰ってくるタイミングを見計らって名前を呼ぼうとした


「あ、あの白鳥さんちょっといいかしら?」


「嫌です」


「……いや、あの」


「嫌です」


「いやまだ何も言ってないのだけれど……」


「どうせあんたのことだからめんどくさい頼み事してくるんでしょ?」


 心なしかさっきまでは普通だったのに話しかけた瞬間一気に機嫌が悪くなった気がする。


 ていうかそれあなたが言う!?


「実はお願い事がありまして……」


「ほらやっぱり、ていうか人が言ったことは聞かないくせに自分の頼み事は聞いてもらおうなんて都合がよすぎるとは思わないのかしら」


「ぐっ、そのことは大変申し訳なく思っています」


 そう、文化祭終わりに白鳥さんに帰り際に言われたこと、『打ち上げには絶対に来ること』というのを無視して結局行かなかったのだ。


 勿論、最初は行こうとは思ったのだが、見たかったが見れなかったドラマの再放送がやるということで仕方なく今回はパスという形をとらせてもらったのだ。


「私あれだけ打ち上げには来るようにって()()()()()()?」


「は、はい」


「で? あなたは打ち上げには来たのかしら?」


「い、いいえ」


「約束を破られた私の気持ちわかる?」


「い、いやでもあれは約束って言うより一方的に……」


「あ?」


 ひっ、なんかこの子キャラ変わってない!?


「い、いえ何でもありませんわ、そ、その代わり何かお詫びをしたいと思っているので今回のお願いを聞いていただけないでしょうか?」


「じゃあ私の言うこと一日聞くって言うのはどうかしら?」


「え? え、ええ、いいわよ」


「じゃあ聞いて上げる」


「あ、ありがとうございます」


 一瞬で機嫌が直った……一体何をするつもりなのだろうか、しかし今はそんなことを気にしているほど余裕は無い。


 自分が数学が苦手ということ、そして今回赤点を取ったら留年をしてしまうということを白鳥玲子に話した。


「ふ~ん、あんたバカなのね」


「ば!? バカではないわよ、数学ができないだけよ」


「へ~? 本当かしら」


「失礼ね、本当よ」


「まぁいいわ、今週の土曜日うちに来なさい、その時教えてあげるわ」


「あ、ありがとう」


 玲子はさっきまでとはまるで違い何故かウキウキしているようにも見えた。


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