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オカマだけど演劇練習中です!3

 それから、結局演劇を行うのが一年から三年まで合わせて四チーム出場することになった。


 そのうち一年で出場するのは泰三たちのクラスだけだった、それ以外のチームはみんな三年だった。そのおかげで文化祭としては珍しい食べ物販売が一年生にも回ってきたりする。


「それで、演劇をすることは決まったけど、具体的に勝つ方法はどうする?」


 放課後いつものように三人が集まると、さっそく白鳥が本題に入った。


「私は色々考えてみたけど、なにも思いつかなかったよ……ごめん」


 実は前回の作戦会議で各々できれば作戦を考えてくるよう話し合っていたのだ。


「私もあまりいいのは思いつかなかったわ、やっぱり実力で勝つしかないんじゃないかな」


 それができれば一番いいが確実性が無い、もっと確実に勝てる方法……何かないか……


「そうだよね……、泰ちゃんは何かある?」


「うーん、そうねぇ」


「あんたは作戦担当なんだからがんばりなさい」


「いつから作戦担当になったのかしら!?」


「最初からよ、そのためにあなたに協力を頼んだのよ、忘れたの?」


「……そんなことも言ってたような、ならあなたは何担当なのよ」


「私は演技担当よ、この演劇の顔よ」


 くっ、ドヤ顔で言ってくるのが妙に腹立つ、しかし確かに白鳥が看板となって客を呼ぶのは間違いなく何も言い返せないのがより腹が立つ。


「ま、まあまあ二人とも落ち着いて、ここで喧嘩したら元も子もないよ」


「「はい」」


「でも、何かいい案ださないと実力勝負になってどうなるかわからんくなるわ」


「確かにね、何か考えましょう」


「「「…………」」」


「普通に友達の力とか借りたらいけるんじゃないかしら」


「「え?」」


「だからクラス内以外の友達に『友達を連れて見に来てくれない?』って言ったり、裏方の人たちの一部に体育館の前で客引きしてもらうとか」


「そんな普通のことでいけるの?」


「それならみんなしていることじゃないかな?」


「まぁ誰もが少しはやることね」


「じゃあ、」


「でも、みんながやってるわけじゃない、そういうことするのは勝ちにこだわってる人間だけよ」


「つまり?」


「私たちはそれをただクラス単位でやるのよ」


「クラス単位……なるほど! クラスのみんながそれをすればクラス内の人が一人で動くよりもはるかに集客につながるかも」


「でも、クラスのみんなにどうやってそれをしてもらうのよ、クラスの中にはそういう宣伝するのが得意じゃない人もいるでしょ?」


「そこは高坂さんの出番よ」


「え?」


「高坂さんがまた先輩たちのところに行って挑発されてくるのよ」


「どういうこと?」


 高坂さんは泰三が何を言っているのか分からないような顔を浮かべ聞いてきた。


「先輩に挑発されているところを録音してクラスのみんなに聞かせてやるのよ、そうすればみんなの闘争心にも火がつくと思うの」


「な、なるほど」


「あ、あんた手段を選ばないのね……」


「あんな糞先輩どもに遠慮なんていらないわ」


「あ、あんた妙に演劇部の先輩を嫌っているわね、なにかあったの……?」


「そんなことはどうでもいいのよ、これがうまくいけば客は結構増えるわ、あとは結局実力勝負ね、客がこっちの方が多い分こっちが有利よ」


「そうだね、結局は実力だよね、私心の中で実力じゃ絶対勝てないと思ってたよ」


「演劇部全員が相手ならまだしも、相手は数人以外は全員初心者よ、憶する必要はないわ」


「まぁ、それもそうね、実力以外で勝ってもそんな嬉しくないしね、どうせだったら派手に負かしてやりましょうよ!」


「どうする? 決めるのはあなたよ、高坂さん、嫌ならもっと別の方法のを考えてみるけど……」


「ううん、それでいい、絶対に実力で勝ってやる……」


 ここでようやく、高坂さんは吹っ切れたようだった。


「よし、それじゃあ、まずはじめに挑発されてこなくちゃね!」


「うっ。うん」


 先輩のところに行かなくちゃいけないと分かった瞬間さっきまでの闘志は一気に見る影もなくなった。

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