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オカマだけど演劇練習中です!2

「それじゃあ、休憩もはさんだことだし練習再開するよ~」


 高坂さんが手を叩きみんな役になりきろうとしている中泰三はイメージしていた、そう、オカマ口調になった野獣がどんな話方をするのか、どんな行動をするのかを。


「準備はできた? オカマ」


 もはや名前ですら呼ばなくなってるわね


「ええ、準備ならもうできたわ。あとあたしはオカマって名前じゃないんだけど? 泰三という素晴らしい名前が、、」


「でもオカマでしょ?」


「い、いやそうだけど」


「ならいいじゃない、さっ、はやくはじめるわよ」


 いや、よくねぇぇぇぇぇぇ


 こうなると泰三は意地でも目にものみせてやろうと、いままでしたことないほどまでに集中した。


「じゃあ、よーい、アクション!」


********


蝋燭に変えられたルミエール「晩餐の用意が整いました。」


泰、野獣「何で来ないのよ! すぐ来いって言ったのに! どうして来ないの!」


ポットに変えられたポット婦人「もう少し我慢なさって、彼女は一日で父親と自由まで失ったんです」


ルミエール「ご主人様、もしかしたら彼女が魔法の呪いを解いてくれるかもしれません」


泰、野獣「それくらいわかってるわよ、そこまでバカじゃないわ!」


ルミエール「よかった! これで恋に落ちれば夜中までに呪いが解けて人間にもどれます」


ポット婦人「そう簡単じゃないのよ、時間をかけないと」


ルミエール「でもバラはもうしおれかけている、時間が……」


泰、野獣「お手上げよ、あの子は美人だけど、あたしを見なさい」


ポット婦人「……以前は立派なお方だったと教えれば?」


泰、野獣「どうやって?」


ポット婦人「彼女が来たら礼儀正しく、紳士らしく振る舞うことです、おびえさせてはだめです」


ルミエール「気の利いたウィットで笑わせて、お世辞を浴びせて、そして何よりも」


二人「カッとなって怒らないこと!」


 彼女が晩餐に来ないことを知り、扉の前に行き、強くノックをする野獣。


泰、野獣「なぜ晩餐に来ないのかしら?」


白、ベル「食べたくありません」


泰、野獣「出てこないと、このドアを壊すわよ!」


ルミエール「ご主人様、そんなやり方では……もっと紳士らしく」


泰、野獣「だけど、実に強情な女よ!」


ポット婦人「優しく、優しく」


泰、野獣「晩餐に来てくれない?」


白、ベル「いや」


泰、野獣「(あああああああああああ? こいついまいやっていったかしら??)」


泰、野獣「貴方が……晩餐に来てくれれば、……とても、うれしいのだけど……」


白、ベル「結構です。」


泰、野獣「!、永遠に閉じこもる気!?」


白、ベル「ええ、そうよ」


泰、野獣「そう! わかったわ! 飢え死にするがいいわ!」


********


「カットー! 泰ちゃんすごいよ! 棒読みをなおすどころか演劇部顔負けの演技だったよ!」


 演技が終わり、一息つくとすぐさま高坂さんが駆け寄って、さっきまでの演技の感想を長々と述べた。


「そ、そうかしら、あたしもいつの間にか演技に夢中であまり覚えていないのだけど」


「ま、まああんたにしてはよくやったってところね、いつものウザさが演技にも出ててよりよかったわよ」


「それはこっちのセリフよ、ベルの生まれ変わりなんじゃないのかと思うくらいキャラがはまっていたわよ、もしかしてあの場にいたのはあなただったの?」


「な、なんですってぇぇ!?」


「(勝った)」


 いつも負ける口喧嘩にも勝つと、盛り上がっている教室を眺めた、人助けのために始めた演劇だがなぜだかとても楽しく感じている自分がいた。

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