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オカマだけどくじ引きで不正をしたいと思います!4

 それから翌日出し物が演劇になると決まって役を誰が誰役にするかを決めることになった。


「では、演劇のことは正直あたしには全然分からないから高坂さんに任せることにするわ」


「え? 私?」


「ええ、このクラスには演劇部はあなたしかいないし素人が指示するよりかは経験者が指示するほうが効率的でしょ?」


「そ、そうかな」


「みんなもいいかしら?」


「まぁ、俺たち演劇の『え』の字も知らないしな」 「高坂さんたのんだぁ~」 「演劇部がいれば百人力だよね」


「みんな……」


「決まりね、じゃあ前に出て役決めをお願いするわ」


「うん、わかった」


 そして前に出てきた高坂さんに小声で作戦とかはないのかと聞かれたが、小声で高坂さんに任せるよと言うと少し睨まれたような気がした。


 よく考えてみると高坂さんはあまり人前で張り切ってしゃべるタイプではなかったのを思い出した。


「じゃあよろしくね」


 高坂さんは教卓に手をつき役決めを始めた、泰三は役を黒板に書いていった。


「ではまずはじめに、美女と野獣の美女役を決めたいと思います、ヒロインは客を引き付ける目玉。それなりの美貌を持った人がやらないと客が集まらないなんてこともあります、だから誰もが認める人ができれば望ましいです」


「要するに美人ってことだろ? と言ったらこのクラスの天使こと白鳥さんしかいないだろ」 「いやでも、陽香ちゃんも負けてないぞ」 「ん~どちらも捨てがたくて選ぶなんてできない!」


 ……そんな迷うことなのかしら、まぁその点に関しては事前に手は打ってあるんだけど


 すると陽香がいつもの陽気な口調で言った。


「私には無理だよ~、だって私中学の頃演劇やって下手すぎて外されちゃったことあるんだもん~」


_______________________________


「陽香ちゃん! ちょっとまって、話したいことがあるんだけど」


「ん~? 何々~?」


「実は演劇の件なんだけど、もし陽香ちゃんがヒロインの候補に上がったら降りてほしいの」


「別にいいけど、どして~?」


「実は……」


********


 そして高坂さんが三年に言われたこと、そして啖呵を切ってしまったことその他もろもろを陽香ちゃんに話した。


「そういうことね! うん、いいよ~」


「本当に?」


「うん、私もとから演劇苦手だから選ばれたとしても降りるつもりだしねぇ~」


「そうなの、ごめんなさいね、こんなこと頼んじゃって」


「いいって、いいって、その代わり貸し一つね~、もし私が困ったことがあったら助けてね」


「ええ。任せて」


__________________________________


「てことは自動的に白鳥さんってことか」 「だな」 「ちょっと男子ー、あたしたちは候補にあがんないわけー?」 「はぁ? 何ふざけたこと言ってんだ、お前らもかわいいけど白鳥さんに勝てるわけないだろ?」 「かわいっ!? ま、まぁ白鳥さんがかわいのは事実だからいいけど」


「では、白鳥さんで決まりで良いですか?」


「賛成ー」 「俺もー」 「そして、俺あわよくば野獣役を……」


「え? わ、私!?」


 白鳥が俺をチラチラこちらを見てくる、ヘルプということだろう。


 泰三は静かに目をそらした。


「白鳥さんダメ……かな?」


 うるんだ瞳で白鳥を見つめる高坂さん、もうこの人がヒロインではいいのではないかと思う。


「ダメ……じゃないけど……」


「やった! ありがとう白鳥さん!」


「う、うん……」


 こちらを睨む白鳥さんの後ろから炎が見えた気がした。







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