オカマだけどくじ引きで不正をしたいと思います!3
ガサゴソと箱の中を漁り、一枚の紙切れを取り出した。
みんなの視線が自然とその紙切れに向かう。
「これは…」
『ゴクリ』
「なんだったんですか?」
「演劇だ」
「やった!」
「やったね! 真緒ちゃん!」
あまり喜びすぎても他の人から白い目で見られるため小声で白鳥と高坂さんは喜んだ。
「では、今年の文化祭の出し物は演劇に決定するわ」
「演劇かぁ」 「俺白鳥さんと主役やりたいなぁ」
そうして、出し物決めは嘘がバレることなく順調に決まった。
そして放課後今日の成果を祝うため三人は黄金色に染まった教室に誰もいなくなるまで残っていた。
「それにしても今日は驚くほどうまくいったわね」
「そうだね、それもこれも白鳥さんと泰ちゃんのおかけだよ」
「私は何もしてないわよ、悔しいけど今日はこいつのおかげだわ」
「あら、真面目に褒められたことなんてはじめてじゃないかしら」
「うっさいわね! ところであんたくじ引きはどういうせこ技をしたのよ」
「大したことしてないわよ、ただ二重箱にしてあたしがかき混ぜるのを装って演劇の紙しか入ってない段に変えたのよ」
「「…」」
「なによ」
「あんた以外と悪知恵が働くのね」
「ちょっと怖い……かも」
「あなたたちのためにやってあげたのにその仕打ち!?」
そして、しばらくうまく演劇にすることができたことを三人は喜びあった。
しばらく話していると、高坂さんと白鳥を見て泰三は何か違和感を感じ取った。
白鳥の笑顔はこんなに輝いていただろうか……、いや、気のせいだろう。
このとき転校してきてはじめて心から笑ったというのは本人すら気づいてはいなかったが、この時から白鳥の告白回数はぐんと伸びた。