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無色魔法使いの異世界放浪ちゅ ~ 神鳥ライフ ◆◇◇◆◇  作者: 綾瀬創太
第三章 迷宮の探索者とお宝
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挿話 P01 ピヨ子戦記

挿話 P01 ピヨ子戦記





◇ (あたしはご主人様に同行してキドの迷宮(ダンジョン)に潜り魔物を殲滅していた)


-DOZUUN-


巨大な蟷螂(カマキリ)の魔物が倒れる。河トロルの戦士リドナスが敵の背後の水場から忍び寄り、巨大な蟷螂(カマキリ)の内羽に細工したようだ。


◇ (あたしは(フクロウ)の姿で洞窟内を飛行して小蟷螂を狩った。戦闘後の食事は意外と美味しい餌だった。このチームの人間は全てあたしへの貢物を欠かさない…奴隷ね)


リドナスが水場に生息する目の無いウナギを取って来てご主人様に料理をせがむ。戦闘の活躍を見ればご主人様の気分も揺らぐだろう。


◇ (あたしは食後の腹ごなしに軽く飛行して周囲を警戒した。神鳥(かんとり)魔法…【神鳥(ゴッド)視界(サイト)】!(フクロウ)の姿であれば夜目も効くのだけど、魔力を察知すれば迷宮(ダンジョン)の罠も発見できる。迷宮(ダンジョン)の凶悪な罠は多くが魔力で起動しているものよ)


広場の周囲を警戒したが、異様な魔力は感知できなかった。ひとまず安心と言える。


探索者のチームはここで休息するらしい。野生の本能か(フクロウ)の姿で洞窟内の高い所に留まり休息する。何かあれば物音で気付くだろう。


◇ (あたしはウトウトしながら夢を見た…前世で幸せに暮らす夢だ。最愛の魔王様があたしに微笑みかける…いい所で目が覚めた!)


迷宮(ダンジョン)は危険な場所だ、邪悪で身勝手な迷宮主(ダンジョンマスター)が罠を張っている。そんな場所で呑気に眠れるハズも無い。


◇ (あたしは問題の場所へ飛行する。迷宮(ダンジョン)の通路を進むと魔力溜まりが出来ていた。…何か異変が起こる前触れと思える)


「にゅほほほ、気付いたかッ」

「ピヨッ(はい)」


暗闇を透かして見ると狐顔の幼女ニビが、魔力溜まりを睨み付けていた。


「何か来よるぞッ」

「ピッ!ピッ!ピー!(警戒。あぶない。敵だわ!)」


魔力溜まりに巨大な蜂の巣が出現した! 縞々の模様に目が廻りて気持ちが悪い。…鳥避けの文様だろう。


神鳥(かんとり)は黙って見ておれ!」

「ッ!…」


狐顔の幼女ニビが男前な事を言って巨大な蜂の巣に突っ込み、二本の尻尾で粉砕した。バラバラと破片が飛び散ると…予想通りに…縞模様の蜂が飛び出した。蜂の個体は野鳥ほどの大きさで鋭い牙と毒針が見えた。


「ええい。こなくそ!……あわわわ、マズイのじゃ~」

「ピヨロッピィー(今、助けるッ!)」


最初は善戦していたニビだけど次第に蜂の数に押されて苦戦を始めた。


◇ (あたしは目眩から立ち直り蜂の群れに突撃した。もはや蜂の姿も見ていないが、魔力の察知だけで敵の居場所がわかる!)


反撃の対応は最速だった。


◇ (【神鳥(ゴッド)加速(スピード)】からの~【神鳥(ゴッド)羽斬(ウイング)】! あたしは連続技(コンボ)を極めて敵を撃破した)


大破してキリキリと落ちていく蜂どもが哀れだ。今は無き戦友たちに黙祷したい。


「しかと見よッ!音にも聞けッ…【双尾破斬】!」


あっ、死んで無かったニビが大技を極めて無双している。


◇ (あたしは残敵を掃討して帰還した。…戦場の空は過酷だぜッ)


戦士(ようじょ)たちは暫しの休息を得た。





--【続く】


※カッコいい戦闘少女が書きたくて…

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