浮かび上がる絶望
2mの狼乗ってみたいなあ。毛がモフモフだったら最高ですね~
少女が目を開けるとそこは巨大な町だった。道路のようなところには牛に似た生物が荷物を運んでいたり、
2mはありそうな狼が走っていた。
少女は悩む...天使には歩み続けろと言われたがどうしようか。やることがない、深刻な問題だ。
働かないとご飯は食べれない。装備も整えられない、これはやばいそう思った時だった。
「おう!!嬢ちゃんこんなとこでなにしてんだい」
冒険者らしき人物がはなしかけてくるが...こんなに人がいるのになぜ自分に話しかけてくるのか?無視して離れようとした、その時冒険者が言う。
「あんた何者だ?記憶が読めないぞ」
!!!!
距離をとる今確かに記憶を読むと言った。一気に目の前の人物の危険度をMAXに上げる。もし自分が異世界から来たことが知られたら、きっとまずい事になる。
冒険者は溜め息をつく...
「はあ...」
冒険者はポケットに手を入れる。警戒体制に入る。冒険者が取り出した物は青い文字が刻まれた輝く石だった。そして言った。
「またロストを発見した。そっちに連れてくから受け入れ準備たのむ」
ロスト?なんの事だろう。少女は言う。
「ロストってなんですか」
冒険者は来いとだけ言った。本当に着いていって良いのだろうか、危険な場所に連れていかれるのではないか。悩んでいると冒険者が「大丈夫だ。あんたみたいな連中をうちで保護してるんだ」
とりあえず着いていくことにした。移動中に冒険者はロストについて説明してくれた、ロストとは記憶がない者達の事のようだ。数年前からロストはいたらしく今では1万に近くいるらしい。少女は問う。
「記憶は戻るんですか?」
「記憶を取り戻す方法はまだ発見されてねぇんだ。すまねぇな嬢ちゃん」
「そうなんだ...」
とりあえずそのロストのふりをしていようと思った。そしてロスト受け入れ所に着く、入ると女の人が出迎えてくれていた。冒険者は言う。
「とりあえずこの姉ちゃんが言うことにこたえてくれ。嘘をついても俺が分かるから本当の事言うんだぞ」
頷く。
「あなたの名前、誕生日、出身地、親の名前知ってることを言ってね」
答える前に、問う。ロストって記憶が何もない人の事ではないのかと。答えてくれた
「嬢ちゃんの場合俺が見たとき記憶がないのはわかったが、中には嘘をついて金貸しから逃げてくるやつもいるからな」
一応だよ、だそうだ。
自分は名前と誕生日が分かるがどうやら自分はこの人に嘘をついてもバレないみたいだから...
「何も覚えてません...すみません」
大丈夫だろうかばれなかっただろうか。緊張する、心臓の音が聞こえる...
「大丈夫だこの嬢ちゃんは嘘をついてねぇ」私はほっとした
きっとこれはあの天使のおかげだろう。
「じゃあこっちに来てね」お姉さんに呼ばれた
「名前はどうするの」と質問する
「そうねぇ...シトラちゃんなんてどうかしら?」
「じゃあシトラちゃんここで皆と過ごしてね」
皆?ドアが開くと6人の子供達が寄ってきた。
「こんにちは!!今日からよろしくね」
元気のいい少女が言う「私はリンナ」
皆の名前をおしえてくれた。
お姉さんに自己紹介も終わったし着いてきてと言われ廊下を歩く。図書館や食堂ありとあらゆる設備が整っていた。ただテレビは無かった。少し残念
「着いたわ。ここで年が分かるからそこに寝てね」
透明な光が当たる。どうやらこれで年齢、魔力、筋力などゲームでいうステータスなどがわかるらしい。
結果 魔力623 筋力560 俊敏力982 年齢は15だった
「とても俊敏力が高いわね通常のひとの3倍はあるわ。めったに出ない数値よ。ただ15才で身長153は...」
小さいなら小さいと言ってほしいものだ。逆に傷つく。
「でも大丈夫よ!!きっと背は伸びるもの」
励まされた。すこし虚しい思いで部屋に行くと...バンっ!!
「お帰り!!」出迎えてくれた。私は小さい声で
「た..ただいま」
布団の中に入ると考えに浸る。どうやら自分の詳細意外は記憶があることが今日分かった。何故自分について何も知らなかったのか。答えはきっとあの声の人に会えば分かるはず。直感だがそう思った。鐘がなった、するとリンナ達は「ご飯だよ!!」はしゃいで連れていってくれた。食堂に行くと子供たちがたくさんいた。
50人程だろうか。聞いた話では多い所はロストが1000人もいる施設があるらしい。
「シトラ!!手合わせてこうやるんだよ」お姉さんに聞いた話ではリンナは13才らしい。年下の女の子に指導されるのは若干恥ずかしいが...
「いただきます!!」食堂に響き渡る大きな声だ。
この世界で初めての食事だ。この世界の食べ物は独特の味の食べ物が多かった。中でも一番おいしかったのは
トロフシチューというものだ。異世界にもシチューは有るんだな~と思った。シチューの中には竜肉、パライというブロッコリーのようなのもあった。今日苦戦した食べ物はジボツという虫の幼虫だ。周りの子供達は
平気で食っているが私には難易度が高かったよ...
夜【消灯時間】
布団の中で今日の事を整理する。いろんな人と出会った、皆親切で新入りの私にも優しく分からない事を教えてくれた。明日はどんなことがあるんだろう。そう思って眠ろうとする...
しかし緊急事態は起こった。
【深夜】
叫び声で目が覚めた。
「!!!...リンナ!!どこにいるの!!」精一杯叫んだしかし返事は無かった...部屋に音が近づいてくる。
近くにあった緊急用の木刀を握る。こんなもので対抗できるかわからないが、どうにかするしかない...
ますます音は近くなる。強く握りしめ臨戦態勢に入る。ドアが開いた!!木刀で殴りかかるしかし途中で手を止める。入ってきたのはお姉さんだったそして右手をケガしている。
「お姉さん!!大丈っ」
口を塞がれた。
「しー...静かに場所がばれちゃうよ」
「でも...手が」お姉さんの手は指二本食いちぎられ酷い出血だった。どうにかしないと...と思っていると
お姉さんは「癒しの精霊よ。ここに来たりて傷を癒したまえ。」魔法を唱えたようだ...その時!!
音がした明らかに人の足音ではない。バラバラな音で足がたくさん有るよう聞こえる。
「タカ..カタカタカタ..ペトペト..ずる..ずるズル」
いろんな足音だ。複数要るのだろうか?お姉さんに聞いてみる
「どんな姿だったんですか?」
「魔獣かな...暗くてあまり分からなかったけど、足が多かったかな。」
どうしようか...他の部屋に行き皆の安否を確認したい。でも廊下は危険だ。足が多くてもこの音から察するに3~4体はいるだろう。
音が近づいてくる。
「私が何とか足止めするので、お姉さん皆の安否をお願いします」
「....でもそしたらシトラちゃんはどうするの」
音はもうこっちに到達する
「リンナ達が他の部屋にいるかもしれないんです!!」声を荒げる
「だから...お姉さんお願い」
「分かったわ。皆の安否が分かったらすぐに戻って来るから」
きっと皆の安否を確認したら戻ってくるのは最短でも20分はかかるだろう。その間私一人で3~4の魔獣と戦えば死ぬだろう。それでも皆が生き残ってくれれば...
ドアの前で音が止む。ゆっくりとドアが開く。木刀を握りしめ、飛びかかる!!
「じ...と..ら゛」
「えっ?」
今日聞いたばかりの元気なリンナの声に似ている。嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。お姉さんの精霊が魔獣の方を照らす.......
「リンナ?...」
そこに居たのは丸い肉塊に人間の手、足、顔がついた化け物だった
「あ゛あ゛ああ゛ああああああ!!」
私は叫んでいた何故ならそこには今日ルームメイトなったリンナ達の顔がくっついていた。一日中元気だったリンナの目が垂れ下がり口から手が生えていた。
「なんで...皆が」
精霊は光を強くする。やめて見たくないやだやだやだやめて。そのリンナ達の後ろにはこの家に居た人だった肉塊がいた。
ちょっと展開が急すぎましたかね?