亡霊の科学者
【知識のゴミ箱】
「さてと...知りたい事を聞いてくれ。僕は答えられる範囲なら話そう」
「あの崩落はなぜ起こった」
「別の世界に興味を持ったから、道を造ろうとしたんだよ」
「なぜ?」
「そんなの君にも分かるだろう?」
「なにを...」
「知りたいからだよ。君も崩落について知りたいでしょ。それと同じことだよ。どの人間も不死について知りたかったり、別の世界に興味を持つと思うよ。ただそれを実行しただけだ。」
「その村の事を気にせずにあんな事をできるっていうのか!!」
「できる。実際僕達天使にも刃を向けたし、魔法を創るためにたくさんの人を犠牲にした。どの時代の人間も愚かな種族だよ。」
「しかしそんなことをすれば多くの人は賢者に不満を持つはずでは?」
「勿論当時の人々は抵抗しただろうね。だけど時が立てばいずれそんなこと忘れ去られる。」
「時が立てば?あの崩落は20年ほど前のことだ。」
「少し頭を使いなよ。あの崩落の中はどうだった?」
「中には大量の魔獣がいた。それでたくさんの人が死んだ。道を進んでも永遠と闇が続くだけ。地獄だったよ。」
「そこはね空間や時間が曖昧なんだよ。実験は一応だが成功したんだよ。別世界の道は造れたけどね、大穴の中に入った者は二度と戻って来ることはなく、中から出てきたのは大量の魔獣のみ。結局失敗したと彼らは思った。」
「おい...結局崩落からどれだけ時間が経ってるんだ。俺たちは17まであの中で生き延びてたんだぜ。戻って来たときも違和感はなにも感じなかった。」
「本当かい?崩落が起こってから君たちが帰って来たのはね...」
「300年後だよ」
「はっ?何を言ってたんだよ...」
「違和感が無かった...おかしいね?ナルル達もかい?」
「私も帰って来た時に何も違和感は感じなかったよ?ルシルどうしたの?」
「ちょっと待ってくれ。そんなこと..」
「アリス!!出てきてくれ!!」
...話についていけない。なにを話してるのだろう?崩落、300年後、別世界の道、一体なにを...そう私が思った時に紫の光が上から落ちてくる...
「なんだ、ルシル俺をこっちに呼ぶとは。どうした」
「アリス、ナルル達がこっちに戻って来たのは崩落から300年後のはずだよね?」
「そうだが?なぜそのような事を聞く」
「彼らは何も“違和感はない”と言ってるんだ」
「...そうか」
あの人は...夢の時にこのルシルって人と一緒にいた...だんだん頭が痛くなってくる。この短時間で色々ありすぎる。そう考えていると..
「ゴース」
「っ!!?」
「なっ」
「えっ?」
いきなり下から光の縄が私達全員を縛る。なぜ?
「ルシルこいつらは..」
「アリスやっぱりか?」
「記憶操作だな。少し離れてろ」
「ルシル?なぜこんな事を..?」
「ナルル少し我慢しててくれ。ちょっと僕達も焦っている」
...
あれから何時間経ったろう...
まだあの二人は話してる。いつになったら離してもらえるのかな..
体が一瞬軽くなる。それと同時に私達を縛る縄が消えていく
「ったく。体が痛えな...」
「ルシル..一体な...」
何をとナルルさんが聞こうとしたとき、私たちは引っ張られる。イースさん一人を置いて。
「イース!!」
おじさんが名前を呼ぶがイースさんは反応しない。ただそこに倒れているだけだった。
「ルシルなんで!?こんな事をするの!!」
「黙っていろ人間。ルシルは今集中している」
「だけど!!」
「黙っていろ、と言ったはずだが?」
「イース、少し辛いだろうけど我慢して...ね!!」
知識の天使が魔法を唱えると、下に魔方陣が展開されていく。イースさんは苦しそうにしたまま倒れている。
「ユグド...僕のあげた石の効果でなにか見えなかったかい?」
「なにか黒っぽい塊が見えたぜ。それと何が今回のことが関係ある...」
おじさんは怒っていた。今にも剣を抜こうとしている
「そうか...もう手遅れかもしれないな」
「だからなにが!!」
「今から見せるもので理解してくれ」
魔方陣が展開されると知識の天使は言う。
「やあ、3000年ぶりだね。レアド·フォーリエンまだ生きてたんだね」
「...ルシルフェルにアポトアリスか。よく分かったな」
「記憶操作なんて魔法を使うのは君だけだからね。終末の天使といい君といい..すこしバカにしすぎじゃないか...」
ルシルフェルから光が溢れる。
「終末の天使は消せなかったけど、君ぐらいなら存在ごと消してあげるよ」
「おお...怖い怖い。だけど残念。今回はルシルフェル、君たちの負けだ」
「はっ...なにを言ってるんだい」
「久方ぶりに目を覚ますがよいマギア・カルリ」
それと同時に真っ白な空間は砕け、黒く染まっていく。
「アリス!!ナルル達を連れて天使界に帰るんだ!!」
「君たちの負けだと言ったぞ」
「システムを乗っ取られた...だと。」
「マギア・カルリを甘く見すぎだ。システムを強化しても無駄だったな」
「喰らえマギア・カルリ」
「ガガアアアアア」
「リト!!」
「はい!!」
カンッ!!
二人の剣がマギア・カルリの手を弾く。
「ルシルフェル、邪魔だ!!退け」
「くっ...魔法が使えなければ、戦うことすら僕には出来ないのか」
「貴様はまだ完全に治ってないといっただろう。それにここはお前の空間だろう?どうにか出来ないのか」
「マギア・カルリに飲み込まれたから無理だよ」
「ならやることは一つだな。システムを奪い返すぞ」
「だけど時間が掛かりすぎる」
「体の一部をとはいえ俺は力を使えるぞ。お前はアシストをしろ」
「マギア・カルリどうした?まだ寝ぼけてるのか。ルシルフェルより最優先でアポトアリスを殺せ」
「っがかい」
「来るぞリト!!」
「分かってますよ!」
剣でまた手を弾く...が
「なっ!?」
手を弾いた後どこにもマギア・カルリが居なかった。見てただけの私にも一瞬で消えたように見えた。一体どこに...
ブチィ!!引きちぎられたような音が聞こえた。
「えっ...?」
引きちぎられたのはリトさんの腕だった。腕を持っているのは、小さい子どもだった。
「ローナ!!」
「分かってる」
お姉さんはリトさんの所に行き、魔法をかける。私も行かないと...
「君は行かせないよ」
「シトラ様っ!!」
後ろから、捕まえられ魔法をかけられる。
「ジューク」
意識がぼんやりとなる...気持ち悪い。
「シトラ!!」
「おじさんどこいくの?遊んでくれないの?」
「なっ!!?」
ガブッ。
「おじさんの腕が...」
「君はここで見てるといいよ。彼らが死にゆく姿をね」
どうして...私はなにも..できない。意識はどんどん遠のいていく。
...
...
嫌だ。誰ももう...失わない!!
「なに!!」
私は立っていた。体に炎を纏い、レアドを弾き飛ばして。
「シトラ様!!体に炎を纏ってはいけません!!自分の体を燃やしてしまいます!!」
アルクレア、ごめんね。だけど、駄目なの。じゃなきゃおじさん達が死んじゃう
「ですが!!」
「アルクレア、魔法の制御を解いて」
「駄目です。あなたが今纏えるのは炎だけです。制御を解いてしまったら...」
「解いて」
「シトラ様...」
「大丈夫私は死なないから」
そう言って私は笑いかける
「そうですか。そこまで決心が決まってるのならば..」
絆の紋章が赤く光る
「ありがと、アルクレア」
体を纏う炎は一気に私を燃やす。けど再生して、また燃えていく。途方もない痛みが続く。
「おじさんもう遊んでくれないの?じゃあ、イタダキマス」
「く...そ意識が」
「だんちょ!!」
「来るな!!ローナ」
「次はお姉さんが遊んでくれるの?」
お姉さんの足を吹き飛ばした。
「どうしたの?やっぱり皆遊んでくれるないんだね..」
「化け物...が」
「うるさい!!そうやって僕をばかにして!!」
「死んじゃえ」
「退いて」
マギア・カルリを思い切り殴る。マギア・カルリは遠くに吹き飛んでいく。
「すごい...」
自分の力ではないように感じる。体を燃やす炎の痛みとは別に肩が痛む。けど...
「シトラ...お前」
「おじさん、ごめんね。私行かなくちゃ」
「駄目..だ」
「行ってきます」
「シトラちゃん!!」
「大丈夫です。私は死にませんから」
「そんな問題じゃねえだろ!!」
「でも...もう助けられるだけなのは嫌なんです」
そういって二人に私は笑いかける。
「可哀想な女の子だね」
「終末の天使の使徒か。あいつとはだいぶ違うようだな」
「あの子は人を愛することを知らなかったからね」
「あの娘があそこまでしてるのだ。我々も急ぐぞ」
「分かってるさ」
...
「痛い...痛い痛い痛い痛い痛い」
「リトさん借りますね」
「シトラ...頼んだよ」
「はい」
「そうやって僕を虐めてなにが楽しいんだよ!!」
「私の大切なものを奪おうとしてるからだよ」
「大切なもの!?知らないよおおおおおおお!!」
体を高校生位に変えたマギア・カルリは喰おうとしてくる。
手に噛みつくと同時に...
「インフェルノ」
「があああああああああ゛」
炎の火力を一気に上げる魔法を唱える。どこで覚えたか分からないけど、どんどん頭に魔法の使い方が流れ込んでくる。
「てめえはよおぉ。なんで俺達を殺そうとすんだよおお!!」
手が巨大化して叩き潰してくる。
「ジラーシオ」
剣の炎を爆発させ、手を粉々に焼き尽くす。
「母さん!!」
次は女性に姿を変える。
「どうだった?子ども達を殺した気分は?気持ちよかった?楽しかった?...この人殺し!!」
姿を大きな塊に変える。
「お゛おおお゛おお゛」
「痛いよぉ」
「来るぞぉ」
「にげろお」
「食べる?」
「いや潰そう」
様々な声が入り乱れる。リンナ達の変わり果てた姿のように...でも
「だから?」
「ジラーシオ・イミテルカ」
大爆発を起こす。辺りに肉と血が飛び散る。
「あれがシトラ...なのか」
「シトラちゃん...」
「団長腕は治りましたか?」
「ローナの精霊のおかげでな」
「僕のはもう少しかかりそうです」
「だからだんちょ...行ってきて」
「当たり前だろ」
...
「どうしたの?もう限界?」
大爆発で吹き飛ばした本体へと向かう。
「お兄さんが来てくれればお前みたいな奴...」
「そう。それで?」
手を踏む。この化け物はおじさんやお姉さんたちを殺そうとした。だから殺しちゃうのは仕方のないことで私は悪くない。
「ここで殺せば引き返せなくなるけど、いいの?」
アルクレアとは別の声が聞こえた。答えは決まっている。
「いいよ」
「ジラーシ....」
「はは...滑稽だな。さすが終末の使徒というべきか」
この声はっ..!?
「ジューク·サティナイト」
吐き気がさっきよりも激しくなり襲ってくる。気持ち悪いけど...関係ない!!
「僕を甘く見すぎたね」
「キアク·サティナイト。君はただの力のない人間だ」
体から力が抜ける。あれ?なんでこんなところに?
「死んじゃえ」
目の前から小さな男の子が近づいてくる。誰に言ってるんだろう?
「シトラ!!」
おじさんが目の前にきて男の子を弾き飛ばす。
「おじさん、子どもに暴力しちゃ駄目ですよ」
「シトラ...お前なにを..」
「マギア・カルリさっさと殺っちゃいなよ」
「うばあああ゛!!」
顔が大きな口になり迫ってくる。夢かな。私は母様と父様と一緒に寝てたはずだもの。
「ローナ!!受けとれよ!!」
私をおじさんは掴み投げ飛ばす。
「おじさんも逃げないと危ないよ?」
「シトラよく聞けよ。お前はそこから動くなよ」
シトラって誰?私にはちゃんとした名前...が。あれ?私の名前って?父様と母様?私は誰でここは..
ズキンっと頭が痛む。
「シ...ト..シトラ様!!」
誰が私を呼んでるの?
「シトラ様!!」
幼い女の子が目の前に出てくる。
「シトラ様...よかったご無事で。」
泣いている?なんで?
「あなたは?」
「シトラ様...。私はアルクレア。あなたの家族です」
そう言ってぎゅっと手を握ってくる
「家族...」
...
「おじさん!!ケガしてるんじゃないの!?動きが遅いよ!!」
「ガキが寝ぼけたこと言ってんじゃねえ!!」
「ぐぎいいいいい」
「また、巨大化かよ!!...っ!!」
「あれれ?やっぱり疲れてる?ケガしてる?」
「ちっくしょ...」
「じゃあね。あの女の子を殺さないと叱られちゃうから」
「てめえ!!」
「ローナ!!シトラ連れて逃げろ!!」
「無駄だよ!!いただきまーす!!」
「シトラ!!」
巨大な塊が口を開けて突っ込んでくる。死んじゃうのか。ならこの女の子だけでも...女の子を逃がそうとしたときだった。
「師匠!!」
「分かってる!!テレポート。...ごめんねユグド」
さっきまでいた場所とは違うところに移動していた。
「あっ...」
私は手を伸ばしていた
「ユグド...すまない。私は君を犠牲にして...」
バクンッ。
「ごちそうさまー!!」
「マギア・カルリそれは別の奴だ。まだあの娘は残っている」
「りょーかい。食べちゃうね。楽しみだあ」
...
「あーあ...結局食べられちゃったね。シトラ、なにも守れてないじゃん」
頭の中に響く声。あの人は私の知らない人。ここは夢だから、悲しくないはずなのに...涙がこぼれる。
「そうやって、いつも泣いてばっか。本当に退屈だね」
「彼女となにも変わらない。本当につまらない物語だったね。じゃあね~」
なにかが私の中を去っていこうとしたとき、大量の記憶が流れ込んでくる。ああそういうことか...
「...守りたい」
「おっ?」
「あの化け物を殺さないと!!」
「おじさんを殺したアイツを!!」
「面白い...。いいね!!まさか記憶操作を破るなんて!!前言撤回だよ!」
「あなたが送り込んできたんでしょ。」
「おやおや。分かってたのなら話が早い」
「私は普段ならこうやって話しかけることすら不可能だけど、マギア・カルリのおかげで空間があやふやになった。今なら記憶だけじゃなく力も貸してあげるよ」
「そう...じゃあ貸してよ」
「ただ副作用がちょっときついよー?」
構わない...そんなこと考えてたら何も変わらないから。
「いいよ!!気に入った。力を少し貸そうか」
同時に手のひらの絆の紋章が薄くなり、肩が熱くなる。炎が体を包み込む
「シトラ様...?」
「シトラちゃん。どうして...また魔法を」
「マギア・カルリ!急いであの娘を殺せ!!」
「うばああああ」
「おじさん...今助けるからね」
手から剣が出現し、炎が白くなり剣を纏いだす。
「アリス!!」
「知ってる!!またあいつが来たんだろう!!さっさと終わらせるぞ」
...
一瞬だった。襲ってきたマギア・カルリの腕を焼き切り、なんども切り裂いた。
なんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんどもなんども...なのに
「おじさん...どこに行ったの..」
「シトラ様!!それ以上はいけません!!」
アルクレアが目の前に来て言う。
「何がいけないの...私は!!おじさんを!!」
「それ以上天使の力を使えば戻れなくなります。」
「だけど...見つからないからもっとやらないと」
「私を愛しているのではないんですか!!また...あなたも私を置いて居なくなってしまうのですか...」
「....!!」
私はなんで...皆を守るのに、なんでアルクレアを泣かせてしまっているの..
「もう引き返せないって言ったよ、シトラ。」
「もういいよ。こんなことしても誰も喜んでくれないから」
「残念だね。もう体の半分は天使の力に侵されている。無駄だよ」
「だけどアルクレアとなら、大丈夫なんですよね」
「はあ...そこまで知ってるんだねシトラ。」
「はい。あなたについさっきまで力を求めておいて、すぐにこんな事言うのは失礼ですけど。」
「もういいです」
「ルシル達も、システムをもう奪い返したし、別にいっか。じゃあルシル達に一言伝言を頼むよ」
「なんですか」
「そろそろ僕も出てきたいなあって、ニアラストラスが言ってたと」
「分かりました。もう私は帰ります」
「あと最後に一つ警告をしてあげよう。今回は僕が君に力を与えたからまだ戻れるけど、終末の天使にはなにがあっても、力を求めない方がいい。」
「分かってます。もうこんなことはやりませんよ」
...
「レアト残念だったね。君の負けだよ。マギア・カルリは破壊され、システムは奪い返した、もうここまでだね」
「ルシルフェル、私をどうする気だ。この体はイースという人物のものだぞ。貴様に出来ることはないはずだ」
「ここは僕の空間だ。君をイースから消すくらい容易いよ。」
「はは、そうやって我々人間を甘く見てるから、貴様は弱いんだよ」
「マギア・カルリ起きろ。さっさ...」
「僕の体でよく暴れてくれたね」
「なっ...!?バカなこの体は私が...」
「どうやら君もイースという人間を甘く見てたようだね」
「君との契約もここまでだ。レアト・フォーリエン」
「いいのか!?そしたら貴様は崩落について真実にはたどり着けないぞ!!」
「皆を危険に晒してまで知りたくはないよ」
「はっ!!そんな事を言ってはなにも成し遂げられないぞ。」
「僕は知りたかっただけだ。なにも成し遂げるつもりなんてないよ」
「ルシルフェル頼む」
「了解した。古の鎖よ、今この時をもって契約を終了す。」
「エリミネント」
「ありがとうルシルフェル。ところでユグドだが...」
「アリスが直前にテレポートさせたよ。今は天使界でローナ、リト、ナルル、シトラと共に寝かせているよ」
「ナルルの方は大量の魔力を貸してもらったから、2~3日は目を覚まさないけど、僕らが責任をもって全員万全の状態にしよう。」
「ありがとう。ルシルフェル達には世話になってばかりだな。」
「なら!!少し人間世界から持ってきて欲しいものがあるんだ。」
「ルシルフェル俺はもう帰るぞ。」
「アリスありがとう助かったよ。ゆっくり休んでくれ」
「君も3日間こっちに居るといい。レアトの事についても聞きたいしね」
「それはいいが、3日もギルドを開けたら..」
「その点は大丈夫。こっちとあっちでは時間の進みが違うからね。戻ったときには1時間ほどしか経ってないはずだよ」
「そうか。ローナ達の事も気になるし、お邪魔しようか」
「歓迎するよ」
真っ白な空間には何事もなかったかのように延々と続く本棚が存在していた。




