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プロローグ

設定を五分で考えたので、ぶっつけ本番です。温かく見守って頂けたら幸いです。


この物語は、本当に幸福しか出さない予定です。不幸の芽は主人公の圧倒的能力で取り除き、最初から最後までハッピーストーリーで埋めつくしたいと思います。なお、主人公の幸福は話に含まれないので、ヒロインとイチャイチャするかは決まっておりません

 「あー······やっぱりこうなったか······」


必要最低限の家具しか置かれていない、殺風景な部屋、そのなかで一人の人間が話す。

背は高く、痩せても太ってもいない体。徹夜明けだからか眠そうに細まっている目を開けば、まぁ上の下には入るであろう顔立ち。会田高校2年、佐々木幸太(ささき こうた)である。


「はぁ···あーもうサイアクだ。なんであのまま続かないのかねー、ホント。なんで物語ですらハッピーになれないんだか」


この少年、些か不幸嫌いの素質がある。いや、事実は違う、不幸な話見ると、理性が働かないことがままあるのだ。ただ、それは普通だと幸太が思っているだけ。寿命や病で命を無くす事などは許容出来ても、理不尽な暴力なんかには我慢ならない性質らしい。たとえ、それがただのフィクションであっても、だ。むしろ、フィクションは人間が作り出すものだから、余計に苛立ちが募るという。


現実がままならないのだから、物語くらいは幸福一色でいいと考えている人間、それが佐々木幸太だ。


そんな幸太は、また不幸な話を見つけてしまった。そのたびに彼は、"あー、なんで不幸なんてあるんだろう"


そう思う。いや、分かってはいる、それが普通だとは。だが、それでも、最良は幸福な世界だと思うのだ。


「······気分悪ぃ、なんか癒し系の小説無いかな······」


ブラウザを開き、検索する。


「感動ss·····新作はないか···」


何時も不幸な物語を見ては調べているので、なかなか新作を見つけることは出来ない

ラブコメ、イチャイチャ、ギャグ、両想い······およそ不幸には結び付かないであろう言葉を打ち続ける。しかし、一つも検索に引っ掛かる事はなかった。


「あれ?運がないな······こんなときに限って······ん?」


ふと、目に止まる。"ハッピーエンドテロリスト"吸い寄せられる様にその記事を選び、ページが移る。


内容は、単純なものだった。主人公は、普通の高校生、それが異世界にいき、不幸な人間を次々と救っていくだけのストーリー。死人は出ず、敵ですら更正させるというご都合主義。1から百まで幸福で塗りつぶされた、幸太にとっては非常にストライクな話だ。特に、最近は力を得ると突然傲岸不遜になり、少しサイコになる主人公が多いのだが、見事に普通だ。


「おー、最近では珍しい程のご都合主義だ、だがそれがいい!」


不快な話で落ち込んでいた気分が洗われるようだ。この作者さんに感想を送ろうか、他に書いてるならそれも見たいし。


「っ·····まぁ、そうだよな······」

感想ページに飛んだ幸太が目にしたのは、批判の数々


〈なんかご都合過ぎて気持ち悪い〉

〈こんなんありえんでしょー···〉

〈作者の妄想激しすぎ乙〉

〈こんな幼稚なのみてたら気分悪いから日記にでも書いてろよ〉


「······物語が幸福で悪いのかよ······」


電源を落とし、布団にもぐる。


「なんで全部ハッピーエンドじゃだめなんだろうな·······」


そう言うと、直ぐに寝息が聞こえてきた。幸太は、不幸に対する耐性がないので、そういう話を見聞きすると精神力がゴッソリと持っていかれるのだ。



幸太の最後の呟きを聞いた者が居た。


「うん······やっぱり、彼が良いかな。ボクの使徒に相応しい······」

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