表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愚かな生き者達  作者: えだいち
5/13

第5話 : おさななじみ

 本稿は第4話までとは全く異なり、50年前? 位の有りふれた農家の子供達の様子です。

本話では、1人称の俺(私)は、孝次郎(孝太郎の父、孝のおじぃちゃん)となります。すみません。

また、いずれ主人公達に戻りますが……。


「ゴッ、ゴッ、ゴボゴボ、ガーゴボ、ガーガー」と庭の前にある井戸からの音が聞こえる。

とうちゃんが、苗代なえしろのための水汲みポンプの音である。

「父ちゃんは会社に行ってくるから、かぁちゃんがパートに行くときにポンプ止めってってな」の声がする。

その後少し経つと、

「ドタドタドタ」と上の姉さんが階段を降りる。


「やばいよ~、もう時間が無いから、おにぎり食べながら行くね~……」と足早に家を出て高校へと向かう。

 すると程なくして、下の姉さんが、

「トントントン」と階段を降りて行く。


「あれ、孝次郎は?」と、姉さんの声だ。

「今日は開校記念日なんだって、だからまだ寝てるよ」

「いいな~、私も休みたかったな、学校」

「何言ってるの、お前にだって開校記念日はあるでしょう」

「でも部活とかあって、結局休めないんだよね」

「そんな事、いから早く朝ご飯食べて、学校行ってらっしゃい」

「はぁ~い」と言いながら、ご飯とみそ汁をお腹に入れ、

「じゃぁ、行って来るね」と自転車で中学校へ向かった。


 不思議なものである。普段、寝ぼ介の俺が、学校が休みの日に限っては早く起きてしまう。

だから、父ちゃんの出勤も解ったし、姉さん達の学校へ行く様も解った。

 そのうち、かぁちゃんから、

「いつまで寝てるんだい!!、もうかぁちゃんもパートに出ちゃうから、そろそろ起きなよ。

あと、学校が休みだからといって、あまり遠くまで遊びに行っちゃいけないよ。朝ご飯は、食べるのなら食卓にあるから……。

じゃぁ、かぁちゃんも行って来るからね」

「はぁ~い」と返事はしたものの……。


 じゃぁ、テレビでも観るかと起きだし、茶の間にあるテレビを横になりながら……、とチャンネルを回しても、普段見慣れていない報道番組とか……、

結局は小学校で良く見る理科教室? とかなる番組になってしまう。

つまらないな~ と思っていると、

「こう(孝次郎)ちゃん、一緒に遊ぼうよ~」

1つ年下の近所の渥美あつみだと直ぐに解った。


 あつみとは、近所の仲良しでいつも、メンコ(ボール紙製の紙めんこ)、ベーゴマ等で遊んでいた。

ある日の晩の事である、日も落ち裸電球の下、メンコをやっていた。

俺は、裸電球の光の影を利用し、あつみにばれない様にメンコのほんの一部を足に掛けひっくり返した。

あつみも

「今のはグム(不正行為)だよ」と言っていたが……。

そんな光景が懐かしく思える。


 幼馴染みとは、よく用水路でナマズを取ったり、ちょっと怖かったが、雷魚らいぎょも捕まえたりした。

家に持ち帰っても別に食べれる訳ではないが……。

勿論虫取りにも行った、お気に入りの「カブトムシ」「クワガタ」のいる大木である。

でもなかなか雄は採ることが出来なかった。みんな雌ばかり。幼な心にも

「この大木、みんなも知ってるんだろうな? だから早い者勝ちで雄は採られちゃうんだろうな~」と

セミ取りもした。

近所のお祭りでは、ひよこも買った、ボンボンも、金魚すくいも、

家に持ち帰ると、かぁちゃんから、

「誰が面倒みるの!!、直ぐに飽きちゃうくせして」

などとも言われた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ