第11話 : ぼんずの死
本話あたりから前作の『しじゅうくにち』の作品に繋がってきます。ぼんず、プーニャ、孝君の家の水槽で優しく育てられている水草、等……。
また、本話から、主人公は私という表現に成ります、ぼんず(僕)から、孝(私)に変わります。
また、蛇足では有りますが、私の前作『しじゅうくにち』も読んで頂ければ幸いです。
地球環境は、劣化を辿る日々・時間が過ぎていた。
あの孝の学会での最後の言葉、
「人類は『絶滅危惧種』ですよ」
しかし、人類の進歩は、凄まじい勢いで進んでいた。
ぼんずは、そんな中いつものように、孝・プーニャ・水槽の水草に言葉を交わし、
また孝のお陰で、プーニャの仲間も沢山できていた。
「元気に帰って来いよ!、台風も来てるらしいから、気をつけてな」
「ぼんず兄ちゃん、待ってるから!!」
「うん大丈夫、ちょっと行ってきま~す!!」
と飛び立って行った。
風も強まり始めた。
そんな中、ある小さな池の傍で羽根を休めていると、
「ぼんずさんですか?」の声が、
「えっ」と、心の耳を疑った。
そう、その声は、プーニャの仲間達だった。孝の研究成果が認められ始めたのかプーニャの子供達? だった。
「何で僕の事が解るの? そして心の声まで?……」
「ぼんずさんの事は、いつも聞いていました」
「ありがとう、でも何でこんな処に居るの?」
「はい、この自然界を少しでも住みやすいようにと、今試験的に試されている様です。
でも人類って勝手ですよね、孝さんの発見で……、こうしているけど、
………、
でも、もう限界なのかな……、あまりにも酷くなって成って来ています。手遅れなのかな……、頑張りますが……、
ところで、
ぼんずさん、今回の台風はすごいですよ、雨、風とも最強クラスです。木もなぎ倒されます。だから、雨が凄かったら羽根が痛まない様に、雨のかからない処でジッとしていた方がいいですよ。
そうそう、あの岩の下辺りは、今までの台風でも雨を凌げるし、この池も守ってくれて来ました」
「ありがとう」と言い、
雨も風も凄く成った来たので、その岩に身を寄せジッと台風が過ぎ去るのを待った。
雨も収まって来た、風も……。
「孝君の家にも戻らなくては、……」と思った瞬間、
山肌から、大きな土石流が……、
その岩も耐え切れなかった。
間に合なかった。ぼんずもそしてプーニャの子供達も……。
そして、その時何故か? 前世のおやじの声が聴こえた様な気がする。
「ごめん」……と。
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孝は、ぼんずの最期の時を感じていた。
ぼんずが帰って来るはずの時は、既に過ぎていた。
プーニャにも解っていた。
「ぼんず…」
「ぼんず兄ちゃん……」
……と。
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そして、私(孝)は思った
「何でこんな時代になってしまったのか、何故くい止める事が出来ないのか?、くい止める事が出来なかったのか」と
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人類は、土石流で、
「死者は無く、軽傷者数人で済みました」と報道番組では、
「幸いでした」と言うが、
私にとっては、地球上人類がこの地球の生物(いずれ人類、いや、この地球を再生するであろう)の死・死滅には全く危惧していないのが……であった。
ショートショートですみません。
ロングを書きたいのですが……、時間も無く。
読んで下さる方、ありがとう御座います。
このペースだと、次回作でENDに成らなくなりそうです……。
(頭。ぺこり)