第10 話 : 『絶滅危惧種』
本話は、クライマックスに向かう前章話? 位に成ります。
孝の両親は、IT企業関連の就職に有利な大学? と思っていたが、
「孝の気持ちがそれ程強いのなら、某大学の生物学科に進みなさい」
「でも、自分で決断したのだから、有意義に大学生活・時間を過ごすんだよ」
孝もその言葉を聞き、
「ありがとう、自分が選んだ道を応援してくれて、
もちろん、大学でも頑張るし、大学院も? 目指せれば、目指してみる」
孝君は高校時代も優秀な学生だった。
この選択が、いずれ……
『愚かな人類に警鐘を鳴らす程の者になる』とは、本人も両親も、そして人類も知る由も無かった。
孝君は優秀な成績で大学・大学院を卒業? し、その大学に留まり『研究・観察』に没頭していた。
そして、『プーニャ』と出会って以来、その生態にのめり込んでいっていた。
プーニャと孝君は、毎日のように心の会話をしていた様である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後、数回後の僕の旅立ちの日、目覚め、羽根を造っていると、
プーニャと孝君が、
「おはよう!」
「おはよう御座います!」
と、声を揃えるかの様に言ってくれた。
僕も、
「おはよう御座います」と答えたものの
孝君とプーニャは既に意気投合、
心の言葉でお互いに会話が出来るように成っていた。
よくよく観ると、孝君の家には水槽が増えていた。そして、そこからは『ぷーぷー』と……、
僕が、ヒョトン? としていると、
「プーニャの仲間達です。孝君のお陰で一杯増えました」
「えっ、何で?」
すると孝君が、
「プーニャは雌雄同体生物で、繁殖に成功したんだよ、だからほら、こんなに仲間が増えたんだ、
そして凄い能力も発見できた……、もう直ぐ学会で発表するから……」と
「ありがとう御座います、孝君、そしてプーニャ! 良かったな仲間がいっぱいになって」
「うん、ありがとう、ぼんず兄ちゃん」
そして僕は旅立った。
その世界は、旅立つ毎に悪い方向へ悪い方向へと向かっている様な気がして堪らなかった。
異常なる高温が続く日々、
人類には解っているのか? 解らない振りをしているだけなのか? どんどん減っていく生物『絶滅種』。
7年を経過する度に思い詰されるのは、何故…… こんな世界に?。
「こんな状態が続けば、人類だって何れ……、」
もうこんな環境下で飛んでいるのも阿呆らしいし、孝君の家の近くでプーニャと一緒に遊ぼうと帰木に向かった。
そんな中、とあるビルディングで孝君の声が耳に入った。
そこは、学会発表の場であった。
そして僕は、そのビルの窓のサッシの部分に摑まり、
「この生物、私は『プーニャ』と名付けますが、光合成も必要とせず、環境に影響を及ぼすであろう有害な物質、例えばフッ素、
水と反応させるとフッ化水素 や、酸素と一部オゾンを生成する……、
:
:
そして、この生物『プーニャ』は、それらの有害物質を浄化しています。
雌雄同体生物であり繁殖させ、この世界、
いや、地球を救う生物になる事を願って」
僕には、難しい事は良く解らなかったが、孝君も凄く立派な生物学者? に成ったんだと思った。
さらに、孝君はスピーチの最後に、
「私達が、勝手に定義している『絶滅危惧種』、『絶滅種』とは何なんでしょうか? ……、
恐らく、この地球・人類を造った神? が居るのであれば人類は、
もう『絶滅危惧種』の先頭でしょう」
聴衆者の中には、
(「詰らない、そんな事は無い」等の雰囲気も漂っていたが……)
孝君は、最後に、
「皆さん本日は有難う御座いました」
そして意味深に……、
「蛇足ではありますが、『あんこ玉』って羊羹? 知っていますか、美味しいですよ」
と言葉を閉じた。
次稿から、人類が破滅に ……?
いや、人類だけでなく他の植物・動物、そして地球かもしれません。
全てを巻き込んでしまった、そんな愚かな人類を投稿したいと思っています。
次回作でENDかな?、いや、次々位まで続けたいのですが……。
(頭。ぺこり)