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境界の先の開拓者  作者: 前園蓮馬
序章
5/19

ギルド

「…ちなみに…お主が武器持っていない理由は何なのだ?」

ローは俺にそう聞いた。

遠くの惑星から来たなんて言っても信じてもらえる訳がねぇしな…。仕方ない嘘をつこう。

「いや、それが分かんなくてな。」

「うん?」

「記憶を無くしたらしい。気づいたら俺が魔物と戦ってた当たりにいたんだ。」

我ながらベタ過ぎると思った。

「うむ…ならば分からんのも無理はない。」

でも、相手はこう答えるしかないのも分かっていた。ローは俺のことを詳しくは知らないからな。嘘だと思ったとしても、嘘だとは言いきれないのだ。

「でも、まあ戦い慣れてたって訳でもなさそうだし、戦い慣れてたら武器を無意識のうちにでも取ろうとするだろ。だからまあ、フロンティアだったって訳じゃねぇ。だったら生き残る為に金を稼がなきゃいけないからな。で、一番給料がいい『フロンティア』になろうと。」

まあ、『生き残る為に』から最後までは本当だ。神に言われて、言っていることも一理あったから、引き受けたんだ。他に神の別の目的があったとしても引き受ける他なかったからな。

「そんなことより、ギルドのメンバーはセラだけか?」

セラと言った瞬間、そこにいた女性が驚き、そのすぐ後に納得したご様子だった。恐らく、俺がセラという名前を知っていることに驚き、ローがさっき自分の名前を呼んでいたことを思い出したのだのだろう。

「そういう訳ではない。後二人ほどいるが、二人とも依頼に言っとるわい。」

随分と小さなギルドらしい。

「セラ、なにかシュウに言うことはあるかい?」

…セラは驚いた様子だった。そして、オロオロしはじめたが、少しすると落ち着いた。

沈黙が続く…

「…元気…そうで…良かった…。…助けたら…いきなり倒れた…から…心配した。」

綺麗な声だった。

「助けてくれて、ありがとう。」

できるだけ優しくそう、答えた。もし、フロンティアになったらこのギルドに入ることになるのだろう。仲間となるヤツの警戒を解いておいた損はない。

やっとセラの肩の力が抜けた気がした。

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