帰還
「おいクレア!連れて帰ってきたぞ!」
クレアは座って俯いていたが、
「クレア、ただいま。」
セラがそう言った瞬間、クレアはいきなり立ち上がった。
俺の言葉で反応しないとか酷くない?
まあ、聞こえてなかったんだろうが。じゃあ、なんでセラの声は聞こえたかって?待ちわびた声だったからだろ。
「セ、セラちゃ~ん!」
クレアはセラに抱きつき、泣いた。
「し、心配、したんだよぉ…。セ…セラちゃ~ん…。」
セラはクレアの頭を撫でていた。これで信用していない?
んな訳ねぇーか。多分、信用している。クレアが自分のことを溺愛しているが故に、受け入れたのだろう。そんなヤツはそう簡単に裏切らない。まあ、俺よりは人を信用しやすいってことで。世間一般でいったら全然信用しないほうだとは思うが。
10分後
あの…俺どうしたらいいの?
いや、マジで。俺、ずっと待ってるんだけど。
セラなんかこっちみて「どうしたらいい?」と俺に顔で訴えている。知らねぇよ。俺も聞きてぇよ。俺もジェスチャーでそう返す。「どうにかして」とセラは俺に訴える。いやいや、無理だから。俺はそう返す。
その5分後
…流石に可哀想になってきた。どうするか。
「あの…クレアさん?」
「何…よ…」
「あの…ね…セラが困っているからそろそろ…」
「ダメ…心配したんだから…心配…したんだから…」
「面倒くせーな。戻って来たからいいじゃねぇか。」
「ダメよ…もう…怖かったんだから…」
俺が口を開こうとした瞬間、セラが首を横に振った。もういいという意味なんだろう。いや俺、メッチャ待たされてるんだけど。もう帰っていいかな?
セラがいる以上、帰る訳にもいかないんだが。
5分後…
やっと離れた。うんうん…やっと終わった~!自分のことじゃないけどメッチャ嬉しい。
「本当に…良かった…おかえり、セラちゃん。」
「改めて、ただいま」
そんなこんなあって、俺らは武器屋を出た。
そーいや、セラは武器を探している最中で捕まったから何だかんだいって、ちゃんと見れてないはずだ。まーでも、流石にタイミングがあれか。今度、一緒に来てやるとしよう。
俺らはギルドに戻ることにした。
俺らはギルドについてことの顛末をローのおっさんに伝えた。
警察に俺らの名前を伝えるときにギルド名も一緒に伝えておいたからそこそこ有名になるであろうことも。
一週間がたった頃、ギルドにある女性が尋ねて来た。
その理由は簡単だ。
「捕まっていた人達の代表として言わせて頂きます。助けて頂き、ありがとうございました。」
礼を言いに来たのだ。助けて貰ったからこそ。
あの警察ども、俺らの名前出しやがったな。こうなるかもとは思っていたから、警察に任せたのに。
恐らく…中にある牢屋の方の鍵を開けるのにてこずったから、嫌がらせとして教えたんだろう。中には善意で言ったヤツもいるだろうが。
ローはその代表から手紙を受け取り、その代表は帰っていった。
そのすぐ後に扉があいた。
「おいおい、俺らのギルドに人が来るなんて珍しくね?」
「そうだね、そんなことは滅多にないよ。」
外から男二人組が入ってきた。
「おっ、帰ってきたか。」
ローがそう言った。
「お、そいつは誰?」
「この人、シュウ、新入り」
どうやらこの人達はギルドメンバーだ。
どちらかというと多く話している人は金髪。俺らで言う黄色人種だが、髪を染めているっぽい。身長は高く、180を越えている。もう片方の人は銀髪、多分、こちらは地毛だ。女みたいな男だと思った、それくらい美形だった。それでもって小柄だ。あ、そういやセラの髪の毛は栗色だったな。
「シュウか…よろしく。俺はアルマ・レゲーレム。」
「僕はレリック・グラレンド。よろしくね。」
っていうか。みんな目立つ。もしかして、俺が一番地味?
「俺はシュウ・カゲミヤ。よろしく。」
「シュウ、ちなみにランクは?」
「シュウ、まだ受けてない。でも、余裕だと思う。」
「ふーん…。」
セラが代弁、俺が言うよりは効果的だとは思う。
「あと3週間。頑張れよ。」
「僕達、どっちもランクはEだよ。」
「まあ、そういうことだ。」
「他人事じゃない、私達も頑張らなきゃダメ。私達も昇級試験、ある。」
「そうだな。頑張んなきゃな。」
「いつなんだ?」
俺はそう聞いた。
「シュウの試験の次の日。」
「俺らは街の外に特訓しに行くことにするが、くるか?」
「うん」
「ああ」
「儂を置いていくのか。また、儂は一人で留守番か。つまらないわい。まあ、儂は行っても意味ないから仕方ないがな。」
そして、俺達は外へ出る。
あと3週間だ。




