開拓の始まり
これは初投稿です。だから、まあ拙いところもあるかもしれませんが、最後まで読んで頂けるとありがたいです。
「俺が行く。任せろ!」
目の前には多数の敵、主にゴブリン。
(あー…またか…いつになったら見なくなるんだろう…)
ドンドン片手剣で薙ぎはらう。でもなかなか倒れない。俺の死角から一体のゴブリンが俺に襲いかかる。
「ヤバッ!」
その瞬間、ゴブリンが炎に包まれる。
「おっと、ありがとな!」
その炎をはなった魔法使いが俺に何かを言っている。でも、聞き取れない…。何度見てもその魔法使いの顔も見えない…。
(やっぱりか…またか、またなのか…これで何度目だ…)
俺はいつになったらこの夢を見なくなるのだろう。
(朝、か…)
そう、現在地はダンジョンなどではない。勿論、自室だ。
あの夢は一ヶ月以上前から毎日見ている。
まずは自分の状況を少し整理しよう。なんか最近、毎日あの夢見ているから心配になってきた。
俺は階段を降り、朝飯を食べるために椅子に座る。
俺は彼女いない歴16年、この世に生まれからずっと更新中だ。因みに言っておくと俺はリア充になりたいわけじゃあない。俺はもう諦めた、約3年前に。俺は女の子に興味がなかったわけではない。小1のときなんか好きな子に話しかけることも出来なかった。小4のときに告白する事を諦めた。それをすんなり受けとめられた。
俺は朝飯を食いながらそんなことを思い出す。
中1のときにも好きになった人がいた。同じ塾の子だった。でも話もしないうちにその子は別の塾に行った。そう俺は要するにヘタレだ。普通の女子なら何ともないんだがな…。好きなやつにはあんま話せねぇんだよな…。まあでも、もうどうでもいいんだ。もう人を好きにはなれねぇんだから。
俺は朝飯を食べ終え、着替え始めながらそんなことを考える。
(寒…)流石に冬だ。着替えるのは寒い。
まあ…俺の恋愛事情はさておき、俺は高校1年だ。まあ、と言ってももう12月になってしまった。もう冬だ。
まあリア充達はクリスマスでも待ちわびているのだろう。そんな中、着替えていた。
なんでこんなどうでも良いことを考えているのかと言うと、
まあ、今日はテストだからだ。要するに現実逃避だ。俺の成績は中の下とか下の上とかそんなもん。進学校だから高校生全体で言ったらそこそこ高いんだろう。赤点とらない程度に勉強して大体40点~50点。
(早めに出るか…)着替え終え、出る準備をする。
テストだ。少し早めに行ってテスト範囲のところを見直そう…。まあ、テスト勉強は合計で4時間もしていない程度だからな。少しくらいしといた方がいい。
(寒いな…)俺は身震いしながらそう思った。当たり前過ぎて思い直すの忘れていた。そんで俺の名前だが…
影宮 秋。それがこの人の名前だよ☆
そうそう、って…
あんた誰だよ。
…まあ俺のことであるのだが。ちなみに今のは悪ふざけである、特に意味はない。…な、なんだよ、の、脳内でふざけるぐらいいいじゃねぇか!し、思想の自由だろ!
まあ…こんなにふざけても誰にも迷惑はかからない
そんなことを考えながら最寄り駅へ向かって歩く。
…が、突然足元がふらついた。
はは、何もないところで倒れかけるとか俺も歳かな…。
ってふざけてみる。
…って、ふざけてる場合じゃねぇ!
ちなみに俺がふらついた理由は地震だ。言っても、まだ初期微動だ。が…この地震…これはヤバい。これで初期微動だとかふざけてる。
予想していた通り…いや予想以上の大地震だった。俺はそこらのフェンスになんとか捕まった。でもフェンスはフェンスの土台ごと地震で砕けさり倒れてきた。掴んだまんまだからか、こちら側に倒れてきた。ヒビでも入っていたんだろう。ついていない。俺はバランスを失い倒れようとした。が、膝曲げて掴んで耐えている状況だった。だから、小学生や、中学生のときにふざけてやる、座る直前で椅子を抜かれるやつみたいな倒れ方をした。でも、尻から行かなかった、フェンスを持っていた分上体が倒れたんだろう。
(これは大怪我するな…。)そのまま倒れようとした。が、その瞬間、空間にノイズがはしり、見慣れない場所と目慣れた場所が重なって見えたような気がした。そのまま俺は倒れ…後頭部に硬い何かが思いっきり直撃し、意識を手放した。
暗い暗い世界、上を見上げたらそこに明るい世界が見えた。
今までは気づかれもしなかったのに…糸が一本垂れてきた気がした。
俺はいつものように目が覚めた。
(なんだ?…あの地震は夢だったのか…)
いや、でも少しおかしい。
なぜか暑いのだ、暖房強かったのかな…。
俺はゆっくりとまぶたをあげた…。
しかし、そこにあったのはいつも通りのものではなかった。
「ここはどこ…だ…」
そう、そこにあったのは見たこともない景色だった。
数km先に小さな石造りの街が見える…それ以外は草や気が茂っていて眩しいまでに一面、緑色だった。
「はいはーい、その質問には僕が答えまーす☆」
「あんた誰だよ」
てか、どっから現れた。見えなかったぞ。
見るからに怪しい男である。…なんか色々と真っ白だし。あまりの衝撃に少し前に心の中で言っていたことホントに言っちゃったじゃねぇか。ふつうだったらつっこんだり、無視したりするところだろ。
「え?僕?僕、神。」
影宮秋、初めての中二病との遭遇。
目の前には自称神(笑)。
「失礼な僕は中二病じゃないぞ。」
そういうやつに限って…って、え…俺…今、口に出してたか?
「出してないよ」
「…えっ…」
いやそうか、また夢か…夢から覚めてまた夢で今度も夢か…。
ちょっと待て、地震は現実なのか?んで、気絶して今、夢と…。あり得る話だ。ひょっとしたらもう目覚めないかもしれない。あんな大地震だったんだ。下敷きになって植物状態になっていてもおかしくない。俺が今こんな夢を見ているんだ。脳は生きている。
だから、まあ死んじゃいねぇだろ。まあとりあえず夢の中ならアレを神と信じてやろう…少しチャラいけど。
「いや、夢じゃないよ。」
…夢でも夢じゃないと言うとはウザい。夢のときに「これが夢か」と聞いたら、夢だと答えろよ。面倒だろ。
「いや、だから夢じゃないって。ほら。」
自称神は俺の足元の少し左側を指を指した。そこにはフェンスが落ちている。そのフェンスには何故か…コンクリートの土台がついている…ん?フェンス?しかも土台付き?あれか?あれなのか?俺が倒れる前に掴んでたやつ…。ホントに現実なのか?いや、そんなはずはない。俺は騙されないぞ。なんて紛らわしい夢なんだ。ふざけんなよ、こんな夢を見ている俺。信じちゃうじゃないか。
「じゃあ、例によってほっぺでもつねってみる?」
「あれ、効果あんのか?」
「やってみなきゃわかんないよ?」
何故に疑問形?ま、いいや。確かにやってみなきゃ分からん。
試しにつねってみよう。
そこで俺は自分の頬をつねってみる。
痛い…やっぱ現実なのか?いや、現実側も一緒につねっているだけかも…。
「おい、神!ちょっと俺の頬つねってみろ!」
痛い…って、え?言ったばっかだぞ。いつ近づいた?
「神をそんな風に雑に扱うのはよしなさい!それと、僕は神だぜ☆瞬間移動くらいちょちょいのちょいだぜ☆」
色んな意味でよくわからない…。あとちょくちょくうざい。なんだよ「~だぜ☆」って。まあ、とりあえず現実なのは信じてやろう…夢では自分の信じていないとこは起こり得ない。が、じゃあここはどこだ?つーか、地震があってそのあとどうなった?
「そーだね…んじゃ、まずここがどこかについて話そうか。ここはね…なんと…」
「とっとと話せ。」
「えー…神をそんな風に扱わないでよぉ~」
「俺はとりあえず現状を整理したいんだよ。」
「ぶぅ~、分かったよ、ここは『エアーリ』この星の言葉だね。君たちの場合の地球にあたるものだね。場所はだいぶ違うけど、まあ要するに君たちのいう宇宙人が住んでいる惑星だ。」
「は?そもそも地球じゃねぇのか?意味が分からん…」
「その話はこの話を整理してから話すね。」
「じゃあ、もうひとつ…宇宙人は、まあ…いてもおかしくないわな。現に俺ら人間がいるんだ、同じ様な環境のところがあっても何らおかしなところはねぇよな。で、どんな容姿なんだ?」
「君たち人間と変わらない人間とか、君たちのいう獣人とかエルフとか小人とか巨人とかあと魚人とか人魚とかがいるねぇ、ちなみにグレイはいないよ。グレイはそもそもすむ環境が違うからねぇ。」
「はあ?俺らにとって伝説的存在の奴らばっかじゃねぇか。なんでまた?」
「ま、そこは君がここにいることと関係あるからね」
「どういうことだ?」
「そーだね…それじゃあ、君がここにいる理由から話そうか」
「やっとその話を聞ける。んじゃ、まず君が地球じゃなく、ここエアーリにいる理由だけどね、空間の歪みが原因なんだよ。」
「空間の歪み?」
「そ。まず、ね、地球とエアーリには度々同時に地震が起こるんだ。それも偶然じゃなくてちゃんとした理由があるんだよ。」
「というと?」
少し楽しくなってきた。なんだよこのトンデモ展開、今までにないくらい面白そうじゃねぇか。
「それはね、共鳴だよ。君ら地球人が音叉とかいうやつでやっているやつみたいにね。それが地球が所有している空間とエアーリが所有している空間がそれを起こしているんだ。」
「原因は?」
「環境がとてもにていることだね。地球人である君に分かるように説明するのはとても大変なんだけど、君が分かるようなことだとマントルとかプレートの配置とか、空気中のそれぞれの分子の割合とか、他にもいろいろあるんだけどね。」
「違うところはあるのか?」
「ん?あるよ。そーだね…君も違和感を感じているだろうけど」
「やっぱりか…どおりで体が軽い訳だ。」
そう、起きたときから体が軽いのだ。神が何も言わないのは俺が分かっていることが分かっているからだ。何が違うかというと、それは重力だ。地球より弱いのだ。
「君に分かりやすく言うと君がいた地球の衛星である月の3倍、地球は月の6倍だから、重力は地球の半分かな。」
「大陸の配置はどうなんだ?」
「大陸の配置は違うよ。大陸は地球より大きくて、大陸は2つしかない。ていうか毎回思うけど君って頭の回転早いよね。」
「ああ、これのおかげで地球人の高校の中でもトップクラスの高校に入れたんだ。ま、これが現実であるならもう関係ねえけど、まあ所詮は人間が作ったもんを学ぶだけなところだ。大した意味はねえ。」
「また随分と素っ気ないね…。ま、本題に戻るよ。今回の地球の地震と同時にこっちでも大地震が起きたんだ。ちょうど君の一歩前のところが震央だね。地球ではきみがフェンスに捕まっていた位置だね。」
「また、ついてねえな、俺。…って、待て…ここが震央?それは嘘だろ。だって、そこの街…壊れてる場所がほとんどねえじゃなねぇか。」
「僕は神だよ。神は嘘をつくわけにはいかない。特に神以外に対してはね。」
「んじゃ、なんで壊れてねえんだ。」
「魔法だよ」
「は?魔法?」
そんなもんあるわけねえだろ。生物が勝手に作った文字とか言葉で魔法がでるわけない。
「ん、それはそうだよ、どうやら君のイメージの魔法とここの魔法は違うらしいね。魔力を使っているだけだよ、詠唱とか魔方陣とかは全くない。」
「んじゃ、どうやって出すんだよ。」
「んー…なんて言ったらいいかなぁ…簡単に言うとね、人間は誰でも出せるんだよ。」
「…俺たち地球人は出せないが。」
「そう言われると思ったからどう言ったらいいか迷ったんだけどね…魔分の話をしたら分かりやすいかな?ということで魔分の話をするね。…まず、魔分はどこにでもあるんだ。地球にだってここ、エアーリにだってある。その理由は宇宙のある場所で無限に生成するからなんだ。それを重力で惑星が引き寄せて空気に溶けるっていう感じだよ。それでね、地球人が魔法を使えない原因はね、魔分の量にあるんだ。」
「魔分の量…」
「そ、地球は魔分の量が濃すぎるんだよ。だから、地球人が魔法を出そうとしても相殺してしまうんだ。厳密に言うとね、地球の魔分は飽和状態にあるんだ。だから、そんな中で魔法を出そうとしても余裕がなく結局出せずじまいってことになる…そんな感じだよ。」
「んじゃ、俺にも使えるんだな。」
「使えるけど…今は使えないかな。」
「なんでだ?」
俺は答えが分かっていながらも確認の為にそう聞く。
「君の分かっている通り、地球人は使い方を知らないんだ。何せ生まれてから使ったことがないからね。知らなくて当たり前だ。最初は本能で魔法を出そうとするんだけどね…。結局使えないから、使い方を忘れちゃうんだよ。」
「んじゃ、神、教えてくれ。ここ、エアーリ人たちは出し方を知っていても教えることは出来ないからな。」
「それもそうだね、後でどうやって出すかだけ教えてあげるよ。とりあえず、今は本題に戻ろう。で…空間の共鳴の話だけど…聞きたいことはなんかある?」
「ん?…あ、ああ…そんな話だったな。だったら…ああ、そうだ。エアーリ人に俺らにとっての伝説的存在なのはなんでだ?」
「あ…そうだ…言い忘れてた。一緒に言っちゃうね。君が地震でこっちにくる前さ…空間にノイズが走って、そんで、ここの景色と向こうの景色が重なって見えたでしょ。」
「ああ」
「その現象はね昔はもっと頻繁に起こったんだ。地球の昔の方はエアーリともっと近い環境だったからね。あそこまで酷い大地震を起こさなきゃ共鳴できない今と違ってね。それだからね、たまに向こう側からエアーリがこっち側から地球をその地震が起こったとき、見ることだけが出来たんだ。それをもとにして誰かが話を作ったって感じかな。」
「だから、伝説として残っていると…まあ、納得だ。んで、干渉は出来なかったって意味でいいん…って、おい、んじゃ俺はなんでここにいるんだ?」
「僕が言い忘れてたのはそれだよ。普通は干渉できないから来ることすらできないんだけど…君が立っていた場所と倒れたタイミングが悪かったんだ。」
「そりゃあ、まあ震央だしな。」
「あ、そういう意味じゃなくて、それが原因だったってことだよ。まず震央であること、これは空間の歪みの中心であることを意味しているんだ。それで君はその場所で少しの間耐えた。それも問題だった。悪いタイミングで倒れる羽目になっちゃったんだ。倒れるとき少しの間、浮いちゃうだろ。そのタイミングはちょうど共鳴による接続が切れるタイミングだった。共鳴すると、地面に固定されていないもののうち、共鳴で特に接続が強い部分を交換するんだ。そのタイミング君が僅かに浮いているタイミングでそれが来てしまった…。後は言わなくても分かるだろ。」
「だから、俺ごと交換された……。どうしろと言うんだ…。…今回の地震での接続の強い部分はどんくらいだ?」
「半径約10mの半球状だよ、ちなみにあの地震が共鳴で出せる限界だよ。」
「やっぱり小さいか…それじゃあ…俺が地球に戻るのはほとんど不可能じゃねぇか…」
「うん、絶望的だね。だから…神としての仕事をします。影宮秋、貴方がここで暮らすための準備をします。」
いきなり口調が変わった。
「…あ、ああ…そうしてくれ。」
ふぅ~…あ~あ…どうすっかなぁ……。
神は多分地球に俺を移動させることは無理なんだろう。そんなことできたら、俺が目覚める前にもどせばいい。そうすればこれはなかったことになる。地球で神を見ることができないのも多分、同じ理由だろう。
魔分の量が多すぎて今、目の前にいる神みたいに実体化出来ないんだ。
「はい、終了しました。お金は君が持っていた紙幣をすべてこの星のお金に変えたから。サービスしといたゾ☆。それときみのその右手の人指し指についてんのは翻訳機。勝手にきみのわかる言葉に変換して聞こえる様にしてくれる。あと、この星の文字を読める様にしてくれる。んじゃ…約束通り、魔法の使い方を教えようか。頭出して。」
そう言われたので頭を神に寄せる。すると、神は俺の頭の上に手をおいて魔法を使った。文句を言う気力もなかった。
すると、何かもやもやしたものがこみ上げてきた…。
「今、君の本能を覚醒させた。それを天に向けて、手に集中…そして、それを思いっきり出す!」
すると、巨大な雷が俺の手に落ちた…いや、落ちたんじゃない俺の手から出たんだ。すると、少しの間、力が抜けた…と思ったらすぐに力が溢れ出してきた。
「うん、見込み通り凄い才能だ。力が少しの間抜けたのは魔法を出して魔力が抜けたから、そして、力が溢れ出てきたのはリミッターか外れたから。生まれてから一切使わないとリミッターがかかっちゃうらしいんだよ。」
「ああ、ありがとう。」
「それじゃ…頑張って生きてみんしゃい…っていうのは流石に可哀想だからね。時々、君の頭の中にアドバイスを直接伝えよう。前例がないし、もうこんなことも二度とないだろうしね。」
「すまないな。」
「いいってことよ。なにせ僕、神だもん。
んじゃ、まず君はフロンティアを目指しなさい。
地球より重力が低い分速く動けるしね。体力もそこそこあるし、動体視力はまあ、最初の方は自分ののスピードについて行けないかもしれないからスピードは考えてね。まあ、その魔法も磨けば凄いことになるし。
そして、すぐそこの街へ向かいなさい。あそこはこの国の首都だから、まあ…色んなものも揃ってるし、フロンティア採用試験もあそこでやってる。
だから、行ってらっしゃい。」
…
「行ってくる」
こうして始まった影宮秋の冒険、どんなことがあるのかは神のみぞ知るということで。僕はまあこんなイレギュラーな奴を援護する。
序章はこんな感じかな。神である僕は他の神々に教えてやりたい。
何をって?決まっているじゃないか!
『影宮秋のかくも酷くかくも素晴らしい物語』だよ!