世界史最後の大事件 visualpoint ナナ
たいっへん長らくお待たせしました‼
今回は第二部のナナ視点になります‼
二千十七年十月一日午後一時〇〇分
午前中の授業が終わり、少し遅めの昼休憩になった。
私はいつもお弁当を作って持ってきているので、食堂は使わない。
もともと人がたくさんいる所が苦手なのだ。
中央の噴水広場なら無人になることも結構多いのだが、どうやら今日はダメらしかった。
別に、広場を直接見たわけではない。
ここから広場まではそれなりに距離があるのだが、話声が聞こえたのだ。
よく私のことを超能力者だとか言う人がいるけど、別に特殊なことをしているわけではない。
人間には五感と呼ばれる、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚がある。私は他人よりもそれらが優れているだけにすぎない。
他人の思考を読むこともできるが、これも心理学の延長線上でしかない。精度もそんなによくはない。
怒りや安心感と言った大まかなものしか分からない。
もちろん、よく知る人物、つまり親しければ親しいほど精度は上がる。
しかしながら、私には友達と呼べる人物がほとんどいないので、精度の高い思考の読み取りはほぼできない。友達が少ないのは何も私の性格のせいではない。
私は中学三年の夏から卒業する直前まで学校に行っていなかったのだ。学校に行かなかった理由を他人に教えたことは無いし、これからも教えるつもりは無い。今の大学の付属高等学校に通った三年間は遅れた分の勉強を取り返すために必死になっていたので遊んでいる暇は無かった。
まあとにかく今は昼食を食べる場所を決めないと。
幸、四階の自販機コーナーの周りには誰もいなかったためそこで昼食を取った。
まだ時間があったため、遠回りになるが噴水広場を通って実習場まで行くことにした。
あの広場は吹き抜けになっており、水の音がよく響く。その上ほとんど人もいないあの雰囲気が好きだった。
しかし事件はその場所で起こった。
左手首に着けている腕時計を見ると午後一時三十分を指していた。
私が見た現象はこうだ。
分かっていたことだが、広場には三人の人物がいた。
まず女子が二人、噴水のふちに腰掛けて話していた。
もう一人の男子は二人の女子に背を向けるようにして何やらケイタイで誰かと話しているみたいだ。
男子の方に見覚えがあるような気がするが、顔が完全に見えないので誰かは分からない。
が、さっき聞こえてきた会話の内容は、好きな女の子のタイプだの最高のシチュエーションだのと話していた。話の内容でその男が誰かが分かった。大学に入ってから、たまたま同じコースを選んでたまたま座る席がいつも隣だという事で仲良くなった(二人ともいつも座る場所が固定だった)男友達の琴平ナギサ君、の友達の笹本タクヤだ。話し相手もどうやらナギサ君と、その友達の平山ケンらしかった。
ちなみに、話の内容からも分かるように、笹本タクヤはドMのド変態だ。まあそういう話題になった時以外はまるで別人のように話さなくなるのだが。
話を戻そう。
噴水に腰掛けていた女子の足元にヘビが一匹。それも最近発見された新種の毒ヘビだ。確かここにも捕獲された個体が研究用に一匹保管されていたはずだが、それが脱走したのだろうか。
それが女子の一人の足首に噛みついた。
しかし驚いたことに噛まれている当の本人は気付いていないようだ。
とりあえず救急通報をしようとケイタイを取りだした所でさらに驚くべきものを見た。先ほど噛まれた(正確にはまだ噛まれている)女子が隣の女子の首筋に噛みついたのだ。噛まれた方は悲鳴を上げ、頸動脈をやられたようで、血をまき散らしながら倒れた。
今いるこの場所も危険だと判断し、旧校舎の遺物である旧シェルターへ避難することにした。あそこならだれも来ることは無いだろう。
ちなみに、旧シェルターへの入り口は一階から四階まであるが、減速などほとんど考慮されていないため、階が上になればなるほどスピードが速くなる。
まあ平常心のナナには関係ない話だが。
シェルターはやはり無人だった。
壁のスイッチを押して電気を点け、決して広くは無い部屋を見回した。
「4人で3日ってとこかな」
シェルター内の食糧を確認し、L字型になっている部屋の短い方に机といすを見つけたので、次の行動目標を考えるためにそこへ座った。
机の横に小さな本棚があり、その中から一冊を選んで机に座った。
本を読みながら次の行動を決める。
ちょうど椅子に座ったあたりである音を拾った。
どうやら広場にいた例の三人がここへ来るようだ。
(ここにいても状況がよくなるとは思えないし、三人がここにきたら全員で外に脱出ね)
そしてその数分後に彼らと合流し、行動を共にするこことなる。
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