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行動目標 生存

大変長らく…………って、いつも同じ前書きですみません。


今回は少し長いです。

そのため、二話に分けようかとも考えたのですが、せっかくなのでそのまま投稿させていただきました。

そのため、後半は少しサブタイトルから離れているかもしれません。

十月七日午前六時30分。

 窓から差し込む朝日に目を覚ます。

 長机を一つ引っ張り出し、残り半分のレーションを朝食として食べる。

 思えば、世界が死に始めてから初めての一人での食事となった。

 食事を終え、寝る前に外したM360Jを装備する。

 弾が無くなった89式から銃剣を外し、惜しいがこの部屋に置いていくことにした。

 扉の外に影が無いのを確認し、バリケードをどかす。

 鍵を空ける前にM360Jを抜き、中に弾が入っていることを確認する。

 クリップが無いため、予備の弾はバラでポケットに入れてある。

 ハンマーを起こし、鍵を空け、慎重に周囲の様子を伺う。

 廊下に昨日倒した死体以外に何もないのを確認し、音を出さないようにゆっくりと扉を閉める。

 死体を踏みつけないように左右にどかしつつ、階段を下りる。

 昨日と違い、廊下に動く目標はいない。

 姿勢を低くし、窓に自分の影が映らないように気をつけ、昨日キラーの大群がいた部屋の扉の横まで移動する。

 拳銃のハンマーをデコッキング(ハンマーを戻す)してからホルスターに戻し、最後の一つになった手榴弾を取り出し、レバーを握りこんだまま安全ピンを引き抜く。

 キラーにそのような知能があるのかどうかは依然として謎だが、経験上、敵は集団的に一つの意思に従って行動しているように見える。

 それは例えば、目に着く場所からどこか一か所に移動しておき、クリアリングの途中で一斉に襲ってきたこと等、特に待ち伏せ、奇襲的な戦術を使っているように思える。

 そして、やつらが待ち伏せていると思われるのがこの部屋だ。

 死体の数から、今までの戦闘で大部分は片付いたはずなので、部屋に残っているのは十数体ほどで、恐らくこの施設内に残っているほとんど全てだろうと考える。

 息を吐き、心拍数を落としてから手榴弾を投げ込める最小限だけ扉を開き、手榴弾を部屋の中央へ投げ込む。

 全力で扉から離れつつ、指からレバーが外れてから秒数を数え、起爆直前に伏せる。

 爆発とともに廊下の窓が割れ、一部ガラスの破片が落ちてきたが、特に問題はない。

 拳銃を抜き、ハンマーを起こして割れた窓から部屋の様子を見ると、爆風で身体の一部が吹っ飛んだり、手榴弾や割れたガラスの破片が急所に刺さって倒れているキラーがほとんどで、少なくとも立っているキラーはいなかった。

 足元に気をつけつつ、部屋の中へ入る。

 数体はまだ生きているようで、ガラスの破片の上を這ってこちらへ近づこうとするが、一体一体にマグナム弾を撃ち込んでいく。

 部屋の中のキラーを全て無力化すると、再び廊下に出る。

 爆発音でどこかに残っていたらしいキラー数体が集まってきていた。

 残りの弾を撃ち、シリンダーをスイングアウトして空薬きょうを地面に落とし、新しい弾を装填する。

 命中精度を上げるためにシングルアクションで撃つ。

 廊下に出てきたキラー全てを無力化し、撃った分だけ空薬きょうを排出し、再装填。

 リボルバーは装弾数が少ないものが多く、このM360Jは五発しか装填できないため、単純に最大でも同時に五体までしか相手にできないためにこまめなリロードが欠かせない。

 一つ上の階にキラーがいないのは確認済みなので、今いる階の階段周辺の部屋を慎重にクリアリングする。

 クリアリングを終えると、机やいす、ロッカー等で階段周辺にバリケードを作り、階段を確保する。

 同じ作業を一階まで続け、一階では出口まで続く通路にある全ての部屋の安全確認を済ませ、脱出経路に繋がる全ての通路を階段と同じように塞ぐ。

 屋外に出る前にクリアリング中に撃った三発分の弾を再装填しておく。

 外に出ると、キラーの姿は無く、風の音以外は何も聞こえなかった。

 バリケードの一部を撤去し、ここに着いた日から置き去りにされていた軽装甲機動車までのルートを確保する。

 軽装甲機動車に銃と弾以外に持っていた荷物を全て乗せ、再び屋上へと戻った。




 屋上へ着いた頃には、太陽がだいぶ高くなっていた。

 依然としてナナは眠ったままだ。

 残された最後の食糧を消費し、水を飲む。

 ナナはもう三日は何も口にしていないはずなので、心配だが、意識のない人間に対しての栄養補給は点滴ぐらいしか思いつかず、ここに点滴ができるだけの設備がなければ知識と技術も持ち合わせていないために、ナナがはやく意識を取り戻してくれるのを祈るしかなかった。

 食事を終えると、ナナからできる限りの装備を外す。

 物資は惜しいが、これからナナを軽装甲機動車まで運ぶためには、少しでも軽いほうがいいからだ。

 屋上から屋内へと続く扉を開け、置いていく予定のバックパックを重りに勝手に閉まらないように押さえておく。

 意識のない人間を運ぶ時は、相手にしがみついてもらうことができないため、自分ひとりの力で相手を支える必要がある。

 小さい子供なら片手で担ぐようなこともできるかもしれないが、いくら小柄だといってもナナは少なくとも中学生よりは大きい。

 普通ならお姫様だっこが無難なのだろうが、現在の状況的に両手が塞がってしまうということは、移動以外の行動、つまり戦闘が一切できないことを意味するので使えない。

 結局、ファイヤーマンズキャリーという形を使うことにしたのだが、特に練習などしたことが無いために四苦八苦しながら見よう見まねで担ぎあげた。

 これは相手の脇の下から自分の首を入れて肩の上に担ぎあげる方法で、相手の腹から胸にかけての胴体が自分の首の後ろにくるため、首を回しづらくなるが、相手のふとももに回した自分の右手だけで保持できるために左手が空くという利点がある。

 又、全身の筋肉を効率よく使い、重心も自分の体の真ん中に近いために素早い移動もできる。

 左手に拳銃を握り、いつでも撃てるようにハンマーを起こしておく。

 事前に確保しておいたルートを、それでも警戒しながら進む。

 出入り口まで接敵せずに進むことができたが、外はどうなっているのか分からない。

 バリケードには自分で空けた移動用の隙間以外にも、初めにここにキラーが侵入した箇所がどこかにあるはずで、そこから再び侵入されていないとは限らない。

 急ぎ足で軽装甲機動車(LAV)に向かい、後部座席にナナを寝かせ、自分は銃をデコッキングしてからホルスターに戻して運転席へ。

「頼むかかってくれよ…………」

 気温が高くないため、あらかじめ予熱されていないディーゼルエンジンは簡単にはスタートしてくれない。

 少し時間がかかったが特に異常は無くエンジンはかかった。

 後部座席のナナを気にしつつ、LAVを走らせる。

 ナナが座席から転げ落ちないようにあまり速度が出せず、ゆっくりと来た道を走る。

 機関銃手がいないため、道中のキラーは避けるか、一部どうしても避けられないものは轢き殺しながらバリケードまで戻る。

 初めはキラーの数も少なく、普通に進めていたのだが、バリケードに近づくほどキラーの数が増えていった。

「おいおい、嘘だろ…………」

 バリケードへの最後の角を曲がると、そこにはおびただしい量の死体が転がり、既に乾いて固まった血痕が道路を赤黒く染めていた。

 ライフル銃が欲しかったのだが、周囲に見当たらなかったので、迷彩服市街地用を着た「元」自衛官が握っていたレミトンM870と、ポーチごとショットシェルを拝借する。

 車をゆっくりと走らせ、バリケードへ到達すると、既にゲートは突破されており、外以上の地獄絵図が広がっていた。

 まず、足の踏み場が無いほどの死体と、辺り一面に飛び散った血痕に、地面に関しては元の色が見えるところの方が珍しいほどだった。

 なんとか車を走らせ、本部テントまで辿りついたが、そこにいたのは銃剣ごと折れ曲がった89式小銃を握ったまま死んだ自衛官だけだった。

 無線機には弾痕があり、一目で使用不可能であることが分かる。

 ナナが動けないため、急いで車に戻り、再びバリケード内部を探索する。

 寝泊まりをするために設置されたテントは、ほとんど倒壊しており、文字通りキラーが波のように押し寄せたことが分かる。

 バリケードの反対側に回ろうと移動中に一つ気がついたことがあった。

 バリケード外周に配置されていたはずの戦車や装甲車の数が足りないうえ、無限軌道が高速で移動した時にできるアスファルトの亀裂が何本もあった。

 入ってきたゲートの反対側のバリケードは、キラーによるものではないと思われる破壊後があった。

 恐らく、戦車の主砲で穴をあけ、強引に車両で脱出したのだと思われる。

 皆が生きていると信じたいが、その先の道路には轢き殺されたキラーの死体が続いてはいるものの、まだ生きているキラーも多く、追跡は難しいだろう。

 現に、数体のキラーがこちらに気付き、少しづつ接近してきている。

 元来た道を引き返す以外に選択肢は無いが、脱出する前に弾薬庫にしていたテントに寄る。

 89式か64式がないかと探して見たが、ガンラックに銃は一丁も無かった。

 今現在手元にあるのは、特殊作戦群の装備品であるレミトンM870ポンプアクションショットガンが一丁にショットシェルが四十発。M360Jリボルバー一丁に357マグナム弾が三十発程度。あとは車載のMINMI軽機関銃と5,56ミリ弾およそ二百発。

 この先補給できる可能性があるのは、銃砲店で手に入るショットガン用のショットシェルと、M360Jで357マグナム弾と共用できる38スペシャル弾が警察から手に入るかどうかといったところなので、このままではあまり長く銃を使ってはいられなくなる。

 しかし、見つかったのは使える銃を持っていない7.62ミリ弾の紙箱が一箱だけだった。

 それでも、備蓄されていた缶詰タイプの戦闘糧食がダンボール一箱あったのは大きな収穫だった。

 それらを車に積み込み終えると、すぐに発車する。

 入るときに通った場所から外に出る。

 行き先は全く定まっていないが、周辺にキラーが多すぎるためにできるだけここから距離を取りたい。

 軽装甲機動車の燃料が限られているために移動を続けることは難しく、ナナのためにもどこか安全な場所を探す必要があった。

 条件としては、フェンス等に囲まれていて簡単に侵入されず、水と食料がある程度備蓄されており、襲撃されたときでも脱出が容易であること。武器弾薬があればなおいいが、日本では難しいだろう。

 もちろん、全ての条件に加え、絶対条件として既に占拠されていないこと。

 今の装備で建物一つをクリアリングすることはほとんど不可能だからだ。

 山の中や無人島などの孤立した地域なら襲撃の心配はしなくて済むが、文明に頼らずに生きていく自信は無かった。




 ずっと車を走らせていたが、休憩を取るために小さな公園に寄った。

 入口を車で塞ぎ、外へ出る。

 公園といっても遊具はブランコと滑り台ぐらいしかなく、死角から襲われる危険は無かった。

 念のためにショットガンは持っておく。

 簡単に昼食を済ませ、一息つく。

 移動しながらいい場所が無いかと探したが、窓を塞いだ民家が数軒あったぐらいで、そのいずれも人の気配はしなかった。

 なんともなしに見上げた空は青く、多くの鳥が飛んでいた。

 本当にこの世界は死んでしまったのだろうか。

 世界の支配者は本当に人間なのだろうか。

 ふとそんな考えが頭をよぎったが、一発の銃声によって思考は中断された。

 そう遠くない位置から、三発づつ規則的に発砲している。

 車に飛び乗り、銃声のする方向へ。

 銃声に近づくにつれて、少しづつキラーの数が増えていき、最後には十数体のキラーが群がっていた。

 運転席から銃座に移り軽機関銃でキラーを一掃する。

 だが、来るのが少し遅かったようだ。

 そこに生存者の姿は無かった。

 銃声の主である男性は無残に食い荒らされていた。

 軽機関銃で撃ったのとは明らかに違う、えぐれるような銃創のあるキラーが転がっていたことから、ショットガンを使ったらしいが、それにしても損傷が大きすぎる。

 落ちていた銃は、国産のオートマチック散弾銃であるフジ・スーパーオート2000だった。

 チューブマガジンからシェルを一発取り出すと、一般的な対人用に使われるダブルオーバック弾ではなく、クレー射撃に使われる7.5号24g、つまり、およそ2,4mmの粒が24グラム詰められたものだった。それを至近距離で撃ったためにこのような銃創ができたのだろう。

 銃そのものは装弾数が銃刀法に合わせてマガジンに二発と薬室に一発の計三発と少なく、オートマチックゆえに信頼性に疑問があるために、今の銃を置き換えるには至らないが、銃の整備が満足にできる環境ではないため一応車に乗せる。又、対人用途に向いていないとはいえ近距離での殺傷能力が十分な弾ももらっておく。

 ベストからシェルを抜いていると、ポケットから鍵を見つけた。

「行ってみるか」




 車の燃料が心もとなくなった時、ようやく目的地が見えてきた。

 目的地には、周囲を囲うフェンスがあり、開閉可能で頑丈な門以外からの出入りは難しく、かつ周辺から食糧の調達が比較的容易で、水と生活必需品がある程度揃っていた。

 が、少なからず問題もあった。

 おそらく、あの男性がここを出る時に殺ったのであろう死体にキラーが群がっていた。

 ここが市街地でなければ、軽機関銃で一掃して進めばいいのだが、死角が多いこの場所で発砲すれば、取り囲まれてそのまま……という事態になりかねない。

 運転手のほかに機銃手がいれば、撃ちながら前進すればいいだけの話なのだが、あいにく機関銃を撃ちながらまともな運転ができるほどの、あるいは運転しながらまともに銃弾を中てるだけの技術は持ち合わせていない。

 結局、待つ以外に選択肢はなく、門が見える位置にあった民家のガレージに車を止め、 運転席からではガレージのゲートが邪魔なので、機銃席に座り、外の様子を伺う。

 キラーがいなくなるまでの時間つぶしに、先ほど拾った散弾を、元々持っていた散弾とは分けてポーチへ落とさないように気をつけつつ入れなおす。

 普通対人用に使われる散弾は、一つのシェルにおよそ九発の粒が詰められているのだが、クレー射撃に使われる散弾は、対人用よりもはるかに小さい粒が三百発ほど詰められている。

 散弾が細かいほど命中率と近距離での殺傷能力は上がるが、デメリットとして距離があいたとたんに殺傷能力ががた落ちする。

 つまり、至近距離でしか使えない。

 幸いポンプアクションショットガンは口径さえ合えばあらゆる種類の弾を扱うことができるので、室内戦闘など、至近距離での戦闘時はクレー射撃用の弾を、それ以外の時は対人用のダブルオーバック弾を、というように使い分けができる。

 それが終わると、弾を抜いてM360Jの銃身のクリーニングを行う。

 ある程度銃身にこびりついたカーボンを落とすと、

弾を込めなおし、ホルスターに…………。

「っ!」

 戻すことはできず、車内に落としてしまった。

 ガレージのあった民家は二階建てで、キラーが窓から降ってきた。

「うおおお!?」

 右手で首、左手でキラーの右腕を掴み、なんとか噛まれることは防いだが、銃座にいるお陰で身動きが取れず、しかもキラーの落下の衝撃を受けてしまった左手にうまく力が入らない。

「う……ん……?」

 後部座席で声がする。ナナが起きたのだろう。

「頼む! こいつを撃ってくれ!」

 車内には先ほど落とした拳銃があり、ナナなら密着した状態でもキラーだけを撃ちぬくだけの腕もある。

 しかし、ナナが銃を握ることは無かった。

「ひっ! あ……きゃっ!?」

「ナナ!?」

 ナナはそのまま、目を閉じ、耳をふさいでシートの上で膝を抱えてしまった。

 よそ見をして力が抜けた一瞬の隙に、キラーの歯が迫り、唾液が飛ぶ。

「くっそがぁぁぁぁぁぁ!!!」

 両手がふさがっている以上、取れる選択肢は多くない。銃座にいては足技も使えないため、必然的に頭を使う、つまり頭突き以外に攻撃手段は無かった。

 もちろん、人間一人をのけ反らせるだけの威力を出そうとすれば、自分もただでは済まない。

 額から血を流すが、すぐに止血できるだけの余裕は無い。

 物音で散り始めていたキラーが再び集まってきていたからだ。

急いで銃座から運転席に戻り、エンジンを掛ける。

「ナナ! 銃座を頼む!」

いくら車に乗っていると言っても、十体以上のキラーを薙ぎ倒すことは容易ではない。ましてや、これは戦車や八輪装輪装甲車等ではなく、走破性よりも機動性を重視した軽装甲機動車である。

しかし、ナナは銃座にはつかなかった。

「む、無理です! 私、そんな……鉄砲なんて、撃てません…………」

「は?」

つい、そんなリアクションをとってしまった。今返事をしたのは、自分が知っている人物とはまるでかけ離れた人物であるかのように思えたからだ。

「っ! ごめんなさい……」

ナナは再び膝を抱えてしまい、その表情を見ることはできなかった。

とにかく、進む以外に選択肢はない。

助手席にはレミトンM870と、フジ・スーパーオート2000が立て掛けてあったが、左腕に上手く力が入らない以上、ポンプアクションは困難で、なおかつ運転しながら撃つつもりなので装弾数は少ないが、オートマチックであるフジ・スーパーオート2000を選ぶ。

揺れる車内から精密に照準を合わせるのは難しいので、クレー射撃用の散弾をチューブマガジンに二発、チェンバー(薬室)に一発装填する。

落としたM360Jをホルスターに戻し、アクセルを踏み込む。

窓から銃を突きだし、反動で銃を落とさないように気を付けつつ、ガレージの前まで迫っていた数体を文字通り吹き飛ばす。

道路の右側を走り、左側の窓から銃口を出して門の前にいるキラーを吹き飛ばす。

門の周辺安全を確保すると、一度車から降り、重い鉄製の門を半分だけ開き、軽装甲機動車を中に入れ、再び門を閉じる。

建物の入口まで車を走らせ、そこでエンジンを止めた。

出入り口のガラス扉は割れていたが、木材等で補修されていて、補修後に破壊された形跡が無いことから、安全が確保されていることが伺えるが、なにせ建物が大きいために、クリアリングは必用だろう。

なんにせよ、目的地にたどり着くことはできた。








鍵に取り付けられたプラスチックの札には、最近廃校になった中学校の名前が書かれていた。

暫くはここで過ごすことになるだろう。

失った物資と体力を回復させるためにも。

ナナの様子を観察するためにも。


あと一、二話です。

もうしばらくお付き合いください。

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