第六話-連邦サイド-
新造艦との距離2500。こちらの主砲射程圏内まで近づいてやる。
「元々私の艦なのだから、大人しく投降して艦を渡せば、監獄行き程度で済ましてやるのだがな。」
他の乗組員は「それ許すつもりないじゃん」と一様に思っているが、口には出さない。
「司令、敵艦より信号弾受信。意味は・・・特に含まれません・・・。」
言葉が徐々に小さくなる通信兵。反対にコリンズの顔は真っ赤に染まる。
「おのれ、賊ごときがおちょくりおってからに!主砲発射!撃ち落としてくれるわ!」
射程ギリギリの所から撃った所で、誘導性を持たないレールガンが当たる筈も無く。反撃の機会を与えてしまい、新造艦の主砲が向けられた。
「敵艦よりエネルギー反応!砲撃来ます!」
直後、視界が真っ白になる。コリンズは怯んで身体を逸らし、恐る恐る目を開ける。
「エネルギーシールド展開に問題無し!損害はありません!」
通信兵の言葉を聞いて、鼻高々に宣言する。
「がーはっは!賊の豆鉄砲など恐るに足らぬ!撃って撃って撃ちまくれ!」
レーザー機銃や中口径バルカン砲撃、対艦ミサイルを撃ち尽くさん勢いで発射していく。しかし、回避され新造艦に当てる事が出来ずにいた。
「小賢しい連中め!しかし、撃つ限りいずれ当たる。早々に片付けてやるわ!」
コリンズは砲撃を指示しつづける。流れ弾で多数の小惑星が砕けるのも構わずに。