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剣と魔法の人生ゲーム  作者: 真川塁
第2章 年少編 ~イクス・アルベートの優雅なる日常~
35/47

Interval 03 - I will call again some other time.-

サブタイトルなげぇ


「と、これで俺が来た理由はわかったな? ついでに罰則でもないのにお前の能力を制限した理由もそろそろわかるんじゃないか?」


「……それも僕の成長を促すためですね」


「その通り。いいぞ、『認識力』がなくとも頭が働くようになってきたじゃないか」


 ここまで言われてわからない方がおかしいだろう。それはもう認識力以前の問題だと思う。


「今回の一件で、能力があってもそれを使いこなせないと意味がないってのは骨身に染みただろ。だから、まずはその安心材料を取り除いてやることでお前の身体に危機感を覚えさせる」


「危機感を、身体に……?」


 言ってることはわかる。わかるのだけれど……。

 イメージが沸かない。

 そんな僕を見かねてトールが具体例を挙げてくれた。


「まずは身体を鍛えろ。能力値が高いゆえにそのままでも十分に動けたんだろうが、それじゃあ本当に強いやつとの接近戦では使えない。基礎的な体術か、武術のひとつでも学んでおくといい」


「武術や体術……」


 できることなら空手や柔道といった武器を使わないモノが良いのだが……。武器を持って勇ましく闘っている自分というのが上手く想像できない。

 しかし、ほとんどの人が習うとしても剣術や槍術といった武術しかないこの国でどう学べばよいものか。

 その疑問をそのままトールへと投げ掛けると、


「身体の動かし方という点ではそれらの武術でも参考になるはずだ。そして、出来ることなら体捌きだけじゃなく視野を広く持つことや気配の察知方法などを一緒に会得することをお勧めする。それだけで更にワンランクアップできる。

どうしても素手での闘い方を学びたいのなら兄にでも頼めばいいだろ」


 そういえば、ワイナードは普段もそうだが、酒場にいた時も特に武器を携帯しているようには見えなかった。

 なるほど。早速、明日にでもお願いにいってみよう。


「それと気闘術についてだが……お前が複色持ちなのはお前の選んだ特殊能力――共感能力のおかげだというのは知っていたか?」


「あ、やっぱりそうなんですか? でも、その割にはすぐ使えるようになったりもしないし、新しくコピーしたっていう感覚もないんですよね」


 雷、風、炎と僕が使える能力はそれぞれ父、母、兄が使う能力なのでその辺りから来ているのだろうなとは思っていた。属性は遺伝することも多いらしいので、僕が実際持っていた能力はそのどれかなのだろう。

 しかし、それ以外の能力をいつ手に入れたのかと聞かれると僕も首をかしげなければならない。


「……ま、これくらいは教えてやるか。まず、有効範囲だが――それはお前と接触した人間だ」


「接触……」


「お前が手で触れるってのが一番わかりやすいか。逆にお前が触れられたりしても能力はコピーされる」


 確かにわかりやすい。

 ようは変な意味じゃなく肉体的なふれあいがあった場合に能力が付与されるということか。


「けど、具体的にはどういう風になるんですか? 例えば相手が水属性持ちだった場合、その属性を得られるってことですか?」



「正確には『相手の使える属性+系統』がコピーされる。例えばそいつが〈水〉の〈放出〉しか使えなかった場合、お前が使えるようになるのは〈水〉の〈放出〉だけ。それ以外の〈水〉の系統はいくら努力したところで使えるようにはならない」


 つまり、属性と系統を合わせて一つの能力と見なすわけか……言われればそうかと頷ける。〈火〉の〈放出〉ってやっていることはパイロキネシスだしな。

 うーん、そう考えると〈強化〉や〈放出〉というのは体得しやすそうだがそれ以外となると難しそうだ。系統よりも属性を増やしていくべきかもしれないな……。幸い、最も珍しいとされている〈闇〉以外はそれぞれ何人か使い手を知っているし。

 そんなことを考えていたら、トールが狙い澄ましたかのように、


「それと、気闘術の練習は既に扱える属性・系統を重点的に伸ばしたほうがいい。お前の能力は接触すればすぐ使えると類のものじゃない。それ相応の練習が必要だ。ま、この辺りはお前の能力の元になった能力と変わらない。中途半端に発動できるだけの能力をいくつも持つよりはその方がまだ使い道はあるだろう」


 と助言をくれた。


「はぁ」


 うむむ、個人的には色んな属性を使えたほうがマルチに活躍できる気がするので色々と覚えたところではあるが、そう云われては従う他ない。先人の言葉はしっかりと参考にしないと、生きれるものも生きられない。

 ひとつひとつじっくり熟練させていく方向で今後の練習は頑張るとしよう。


「とまぁ、アドバイスはこのくらいだな。あとはお前の頑張り次第だ、次に会う時までに頑張って強くなってろよ」


「……次もあるんですか?」


 助けるのは今回だけと言っていた割になんと行き届いたサービスだろうか。昨今のサービス業界でも中々お目にかかれないアフターサービスだ。


「お前が制限ロックのかかった状態でも強靭――とまではいかなくてもある程度強い肉体と精神を会得したら、その制限ロックを解きにきてやる。いつになるかはお前次第だ」


 その言葉を置き土産に、次の瞬間にはもう僕の視界から見事なまでにトールは消えていた。一抹の期待を持って周囲を見渡すもやはりどこにもいない。

 元の世界に戻ったのかどうかは別として、もうこの辺りにはいないだろう。


「はぁ」


 トールの不在を確認して、僕は本日二度目のベットインを果たす。

 後半は気張っていたつもりはないのだが、こうして脱力してしまう程度に気負ってはいたみたいだ。

 眼を閉じて、頭のなかでトールに言われたことを再確認し、口に出して反復する。


「武術の基礎と気闘術の練度、か……」


 武術はほとんど心得がないので、基礎の基礎から学ぶことになるだろう。と、なると気闘術にかける時間よりも多めにとる必要がありそうだ。

 気闘術の練習時間を少し削って、いままで街に出ていた分の時間を割り当てれば生活リズムを崩すこともない。

 どうせ、しばらくは街に出ることは許されないだろうし、許されたとしても出る気にはなれない。

 有効活用させてもらおう。


 そうだな、まずは朝起きてストレッチするところからはじめようか。

 

 重くなってきた瞼の下で、僕はそれだけ決めて無意識下へと落ちていった。


 これにて連続投稿&2章は終了です。


 今後の予定を活動報告の方に載せておいたのでよければ御一読ください。


 今回も読んでいただき有難うございました。

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