三題噺~雲、アルバム、人口の遊び
「なあ、暇。超暇。なんかやれ」
「てめぇ、仮にも神だろ。雲上人だろ。下見てろよ」
「見てるって。こうして適度に人減らしたり増やしたりしてるでしょ」
とはいってもすごい目分量でやってるけど。あ……。
「あって、てめぇッ!! それ減らしすぎだろッ!!」
「すぐ増やすから大丈夫だって」
そしてまた目分量。
「人口で遊ぶのやめろっていつも言ってるだろ! 記録すんのめんどうなんだよ」
「それがカイの仕事でしょ」
「はいはい。偉そうなシアは神やってりゃいいんだもんな。楽なもんだ」
楽じゃないっての。いつもいつも下見てないといけないし。というか飽きた。
「そうだ……カイ」
「なんだよ」
「いってきます」
「はぁッ!? ちょ、まてやコラァッ!!!!」
寝転がっていた雲から華麗に飛び降りる。
「すぐ戻るって……たぶん」
「たぶんじゃねえええええええええええええええええええええええええええッ!」
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「ふう」
雲から飛び降りてしばらく飛んだ所にあった建物の屋上に降りた。
「どこだろ、ここ」
あたりを見渡しても、特に目立つものはない。
「お、あれは」
木の下に若い男女。えーと、たしか学生だっけ? てかあの感じは……。
「いってみますか」
屋上から飛び降りて、二人が見える位置で止まる。
「俺と、付き合ってください」
「……ごめんなさい」
ありゃりゃ、振られた。振った女の子の方は結構可愛い。
「はぁ」
「なに溜息ついてんの?」
「うわぁ……羽?」
おお、いい反応。近くで見るとなお可愛い。
「ま、糸は出てもないし繋がってもないから当然といえば当然の結果だったけど」
「だ、誰?」
「え? 神」
「……」
「あー、疑ってるでしょ」
「や、そんなことは」
「えーと、神埼由愛……由愛が好きなのは……マジ? 由愛って女の子好きなの?」
うひゃー、こっちにもいんだねー。
「なんで名前……というか、誰が好きでもいいでしょ」
「まあ、別にいいけどさ。ということは、そっち方面で視なおしたら……」
由愛から出て繋がってる糸は……いた。
「東雲未咲か。何、好きなの?」
「東雲って、隣のクラスの子だけど。それ以外は知らない」
「ふーん……」
あっちが由愛のこと好きなのかな。
「東雲さんがどうかしたの」
「うんにゃ。由愛が告白したら確実に付き合える子ってだけ」
「東雲さんが?」
まあ、そのあと散々煽るだけ煽ったんだけど。
「付き合って」
「……うんっ」
おお、抱き合ってる。というか東雲って子も可愛い。
「暇も潰せたし、帰ろうかな」
羽をはばたかせて宙に舞い上がる。
「ん?」
なんか視線を感じると思ったら、由愛がこっちを見て手を振ってた。東雲って子もこっちみてる。
「ま、お幸せに」
抜けた羽が由愛の手に落ちたのを見て、上に戻った。
「たっだいまー」
「ただいまじゃねぇよ。何人間に姿みられてんだよ」
「なに、見てたの? 覗き」
「覗きじゃねぇよ。てめぇが仕事しねぇからだろうが。それとこれ、どういうこった」
カイが見せてきたのは記録。
「てめぇがやったろ」
「だってぇ、糸出てたし別にいいじゃん」
「だってじゃねぇだろ……」
そんなカイを無視して下を見る。
「おお、付き合って数分なのにディープって。近頃の子はすごいねー」
「お前、あの糸が切れるって知ってて無理やりつなげただろ」
「んー? 何のこと?」
「その上、お前の羽。ご丁寧に楔まで打ちこんで」
「何のことかなー」
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「由愛。羽は?」
「あれ……どこいったんだろ」
どこいったんだろうねー……二人の胸で光ってるのは私の羽なんだけど。
三題噺です。
このシアという神。すんごいだらけてめんどくさがりです。そしてすんごいきまぐれです。




